月刊・漢方美人:笑顔でいたいのに眼精疲労が…

2006.06.10 131号 8面

Q.パソコンを使う仕事のせいか、目のかすみや充血、痛みを感じることがあります。(40代女性)

A.眼精疲労は肝腎陰虚(肝と腎の潤いが不足している状態)が主な原因です。

●肝は目に穴を開く

普段何気なく酷使してしまう目。かすみや乾きが気になっていても、ついついケアは怠りがちになってしまいますね。

眼精疲労とは、休んでもとれない目の疲れや乾き、かすみ目などの症状のことです。長時間のパソコン作業やテレビゲーム、読書や細かい作業などが主な原因となります。肝臓などの内臓疾患が原因になっていることもありますので、長期にわたり眼精疲労がある場合は、一度病院で検査してみると良いでしょう。

「肝は目に穴を開く」という言葉がありますが、中医学では目は血液を貯蔵する役割のある「肝」(蔵血と自律神経をつかさどる臓器)と大変深いかかわりがあるとしています。

私たちは目を使い過ぎると、かすみ目や充血、目の奥の痛みなどを感じます。放っておくと、肩こりや頭痛、吐き気やイライラなどの症状が現れることもあります。これらは血液が消耗し、栄養が十分に行き渡らなくなっている状態です。症状としては目に現れますが、原因は肝機能が低下していることにあります。

「肝腎同源」というように、肝は腎(生殖機能をつかさどる臓器)に養われる関係にあり、肝機能が低下すると、肝の源である腎の機能も低下している場合が多く見受けられます。眼精疲労を解消するには、肝と腎を同時に補うことが重要です。

●血液を補うナツメやプルーン、また菊花・クコも

目をいたわるには、不足しがちな血液を補うナツメやプルーン、緑黄色野菜食などを積極的にとりましょう。菊花にクコの実を浮かべて香りを楽しみながら、お茶の時間を演出するのもおススメです。菊花は目の炎症を鎮め、働きを改善し、クコの実は目に栄養を与えます。

少しでも目の疲れを感じたら、目を休めるようにしましょう。パソコンを使用している場合には1時間ごとに10分くらいは、遠くの景色を眺めたりして目を休めましょう。また、こわばった身体の緊張をとるため、ときどき適度に身体を動かすと良いでしょう。

◆オススメは『婦宝当帰膠』、『杞菊地黄丸』

血を補う当帰が主成分の『婦宝当帰膠』。飲む目薬といわれている『杞菊地黄丸』は肝と腎を同時に補ってくれます。

◆シノアカフェ クコ茶

見た目もとてもかわいい、ごくシンプルなお茶。かすかな甘みが薬効成分

<材料(1人分)>

・クコの実…大さじ1

・熱湯…………適量

<作り方>

カップにクコの実を入れて熱湯を注ぎ、10分ほど蒸らして飲む。

『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から

◆東洋エクササイズ

攅竹(眉毛の内端にあるくぼみの中)と晴明(鼻の根本と目頭の内側中央のくぼみ)を中指で押す。真下に押すのではなく、鼻筋の骨の方に向かって押す。晴明は美容のツボでもある。リズミカルに。ともに9回押して1クールを3回。

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