だから素敵! あの人のヘルシートーク:タレント/ランナー・谷川真理さん

2005.06.10 119号 3面

美しく速く走るイメージのある谷川真理さん。いまでも自身、毎日15キロ以上のトレーニングを続けながら、多くのランナーを指導しているという。代謝を上げ、気持ちを前向きにするその内容は、走ることを目的にしない人にも有効だ。

朝1時間、早く起きて走る。その時間、その場所でしか見えない景色、味わえない香りがあります。空の色を眺めながら、自分の身体と対話する。今日は身体が軽いな。ちょっと脚が痛いな。他にもいろんなものがクリアに見えてきます。レストランのおやじさんが窓を拭いてるな。宅急便の人、荷物重そうだな。みんな頑張っているんだな、と思います。

走っていると身体の代謝がすごく良くなる。私、爪や髪が伸びるのがものすごく早いんですよ。普通の人の1・3倍くらいの早さで身体が変わっていく。1日15キロ以上走って、走れない時はエアロバイクや筋トレ。するとご飯もいっぱい食べられます。それで運動してまた出す。基礎代謝が高くなる、つまり太りにくい身体になります。ダイエットで少ししか食べない人は、身体にいいものが何も入ってこないからそれは代謝が悪い。運動しなければ筋肉もしっかりできない。

運動すると、空気を吸ったり吐いたりします。すると身体の中から免疫力も高くなって、血流も良くなる。頭の中も、滞ってたものが血流と一緒に回っていく。何かあっても走ってご飯食べたら、「別にこんな悩みごと、どうでもいいじゃない」と思えるんじゃないのかな。

オリンピックを目指している時から、自分の身体は自分の納得のいくもので作りたいと思ってきました。料理は好きなので、どこでもコンドミニアムを借りて自炊。方法はシンプルに、素材のいいものを買ってきてゆでて塩・胡椒だけで食べるとか。好きなものが栄養的に優れているものが多いので、苦労しません。

アミノ酸を取り入れたのは早かったです。過激な運動をした後は、筋肉がひどく壊れます。それを早く修復する、新しい細胞を作るにはアミノ酸をダイレクトにとるのが一番です。肉や魚を食べてもアミノ酸に変わるまでには、3~4時間かかるので。

いまでこそおいしくなりましたが最初の頃は…。1992年のバルセロナオリンピックの練習時、先生に勧められ40キロ走った後に飲んだのですが、世の中にこんなまずくてくさいものがあったのかと(笑)。ところがそれだけ走ると3~4日疲労が回復しなかったのに、次の日にいつもと違う。それ以来、1日2回、アミノ酸を飲み続けています。最高の結果を得るにはいかにケガをしないか、です。結局毎日40キロ走った人が強い。アミノ酸をとることで早く疲労を取り、ケガをせずに練習を強化することができるんです。

一般の方でも、睡眠不足や病気の前後、アミノ酸を利用することで免疫力がアップして元気になりますよ。

速く走る・歩くには、早く体重移動させることです。骨盤と一緒に脚を出す、脚の上に骨盤が乗っている感じで歩いてみて下さい。自分の脚がみぞおちから生えているイメージ。ストライドが広くなるでしょう。横断歩道で信号が変わって、誰よりも早く向こうまで到着しますよ。階段も、フトモモからでなく骨盤から上げて上る。長い階段も快適に上がれます。

脳を使って運動をすることが大事なんです。大概の人は右手で鉛筆を持って字を書けるけど、左手ではできない。回路がないからです。覚えさせる、意識して行う。運動とは、そういう習得です。

かくいう私もいま新しいことを始めていて、これが大変。NHKの「趣味悠々 かっこ良く弾く簡単ピアノレッスン」(6月第1週~8月第5週)で司会兼生徒をしているのですが、電子ピアノが家に運ばれていたのが4月の末。「ピアノの経験ありますか。ない? ならばぜひ!」と言われ、前から何かひとつ楽器ができたらいいなあと思っていたので、これは挑戦するしかないと。

司会でもあるので、生徒の皆さんをいかに緊張させないかが仕事だと思うんだけど、私が一番固まっちゃってて、どうしようどうしようの連続です(笑)。最終回の発表会、どこまでいけるんでしょうか…。でも新しいことを始めるって、楽しいですね。

◆プロフィル

たにがわ・まり 1962年福岡県生まれ。91年に東京国際女子マラソンで初優勝。以来、多くのマラソン大会に出場。現在タレントとして活躍。

谷川真理さんが主宰する「ハイテクスポーツ塾」。小学生の子供から、大会を目指すランナーまで正しいフォームを身につけられる。一般の人の身体作り、美しい姿勢作りにも。

http://www.tanigawamari.co.jp

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