足操術で身体の冷えラクラク撃退、大人気フットセラピー
「冷えは万病のもと」。東洋医学では“冷え”はさまざまな不調が起こる前兆とされる。寒がり=冷え性とも限らず、本人が暑がりだと思っていても、実は上半身がのぼせて下半身が冷えている人や、身体の表面が温かくても内側が冷えているというケースもよく見られる。血行促進には、足もみが一番! ということで、冷えを予防する生活術について、ヘルシーライフ協会主宰の(株)スピロコミュニケーションズ・寒河江秀行代表取締役に聞いた。
◎どうも体調がイマひとつ~原因は“冷え”
足が冷たい・しびれるなどの身体の冷えは決して軽視すべきではありません。東洋医学では「頭寒足熱」といって、足もとが温かく頭部が冷えている人を健康といいますが、現在、この逆の人が増えています。血液の流れが停滞すると、新鮮な動脈血が十分に送られてこないので、その部分の体温が下がり、冷えの症状に陥ります。一番血液が滞りやすいのは足です。
足の裏には、内臓など、身体の各器官・機能に直結している非常に多く(約三五カ所といわれている)のツボがあります。足をもむと、全身の血行が促進され、身体のゆがみも自然に正されて病気が良くなったり、体調が整います。さらに、自律神経(意思とは無関係に内臓や血管を支配している神経)やホルモンのバランスが整えられ、筋肉・血管・神経・リンパ管・内臓など様々な器官の働きが活発になって、病気を予防したり、いわゆる自然治癒力も高まります。
◎足操術で真の健康を
私たちが提唱する『足操術』は、リフレクソロジーと呼ばれる西洋の足裏反射療法と、東洋のツボ療法のそれぞれの良さを取り入れた独自の技法です。足裏を中心に足全体を、回す・押す・伸ばす・もむ・さする・たたくの六つの手技で心地よくマッサージすることで、深いリラクゼーション効果をもたらします。
また『足操術』は、血液循環をよくすることだけでなく、精神の「気」・体内水分の「水」・血液の「血」の三つをスムーズに巡らせ、心と身体のバランスを、心地よく整えていきます。あなたも今日から『足操術』を実践して、足の冷えやだるさを取り除き、「真の元気」をめざしましょう。
◎お家でできるフットケア
自分でも簡単にできる、初歩的な足もみをご紹介しましょう。たった一〇分でできて、冷えの解消、しかも全身の様々な不快症状によく効き、体力増強にも役立ちます。
イスに腰掛け、一方の足をもう一方の太ももに乗せます。あるいは床にあぐらをかき、一方の足をもう一方の太股に乗せます。この状態で、乗せた方の足からもみはじめます。 まず、足のくるぶしより上部を片方の手でしっかりと押さえ、もう一方の手の指を足の指の間にさし入れて握り、左右にそれぞれ二〇回、足首をグルグル回します(図1)。
次に、足の第五指(小指)を手の親指と人さし指でつまんで、グルグルと回したり押したり、引いたりもんだりします(図2)。それぞれの動作を五~一〇回。以下、第四指、第三指、第二指、第一指にも同じ動作を行います。
足の裏にある湧泉のツボを指圧します(図3)。湧泉は、第一指のつけ根のふくらみと、第五指側のふくらみが交わって「人」の字を描いているところの、ちょうど接合部にあります。この人の字にそって、足の裏をゆっくり押しもみして、最後に湧泉を指圧します。指圧は、左右の手の親指を重ねて、一押し三秒くらいかけて心地よい強さで三、四回押します。
このほか、冷えには、足裏全体をもんだり、こぶしでたたいたり、足の甲側の骨と骨の間をこすることなども有効です。最後に、足首からふくらはぎ・太ももまでを両手で包み込むようにして押さえ、締め付ける要領で絞り込みます(必ず足首から太ももへと行う。二~三回)。
以上を両足に一日一~三回、好きな時間に行います。足をもむ回数や押す回数は、あくまでも目安。順番を変えてもかまわないし、好きなものだけやってもいいのです。要は、少しでも毎日続けることが大切です。また食事など生活全般を見直して、冷えを徹底的に取り払いましょう。
◎対策
●日光浴…朝日を浴びることで体内時計が調整され、ホルモンのリズムや自律神経を安定させ、各器官が本来の設計どおり動き始める。
●フットバス…一〇分で足がポカポカ、二〇分で身体までポカポカする。温度は四〇~四三度が適温。エッセンシャルオイル(二~三滴でOK)や入浴剤を入れて保温効果をアップしよう。
●足指運動…タオルつかみ・足指回し(両方二〇~三〇回ずつ)
●アロマテラピー…血行促進に有効なエッセンシャルオイル=マージョラム、パイン、ブラックペッパー(フットバスやお風呂に数滴入れて)
●食…身体を温める食べ物=地下の食べ物=サツマイモ、人参、ショウガ、ニンニク、ゴボウ
●お茶…ほうじ茶やウーロン茶、ハト麦茶など、茶色のお茶は身体を温めてくれる
●呼吸…息を吸うときは交感神経が、吐くときには副交感神経が働く。昼の間は交感神経が優勢になっていて、ストレスや緊張で呼吸も浅くなりがち。気がついたときにゆっくり息を吐いて、お腹から息をするように心掛けよう。代謝も高まり、血行も良くなりストレスが和らぐ
近年、足からの健康法が注目されブームになっている。同社では、三〇年以上にわたり実践してきた独自の理論に基づく足操術の技法を、フットセラピスト養成学院やフットケアサロンを通じ、さらに普及すべく力を注いでいる。養成学院では、東洋医学・リフレクソロジーを始め、経絡理論・運動生理学・解剖学・シューフィッティング・ホリスティック医療・アロマセラピーなどが分かりやすく学べる。足操術を学び、自宅で独立開業する人や、老人ホームなどでボランティアとして活躍している人も増えているという。
▼問い合わせ=(株)スピロコミュニケーションズ(東京都渋谷区恵比寿南一‐二‐一一 フォーシーズン恵比寿ビル四F、03・5725・5221、FAX03・5725・5220、ホームページhttp://www.spiro.co.jp/)