世界が注目、国際雑穀食シンポジウム開催・免疫力高める物質豊富
食糧自給、環境保全、健康問題への世界規模の取り組みが進むいま、雑穀が注目を集めている。8月26日(土)~27日(日)に、東京・御茶の水で開かれた『国際雑穀食シンポジウム&料理術交流フェスティバル2000』には料理・健康・栽培・環境の四つの分野で雑穀にかかわる人々が国内外から集い、講演を行った。
国際雑穀食フォーラム代表の大谷ゆみこさんは「雑穀のひと粒ひと粒には生命力があふれ、栄養バランスの面でも人間にとって最高に優れた食べ物です。免疫力を高めるさまざまな物質も豊富に含まれており、精白したコメ、小麦普及による栄養失調(隠れた飢餓)解決の可能性を秘めています」と語る。
「毎日食べても飽きない、クセのない、穏やかながらコクのあるおいしさが雑穀の特徴。動物性食品に変わるヘルシーでボリュームのある料理素材としても利用できます」。同シンポジウム初日には、雑穀料理を提供しているレストランのシェフが全国から参加し、さまざまな雑穀料理の試食会も行われた。
雑穀マメ辞典(参考文献 久郷晴彦著『雑穀の健康学』)
小さなガラスのふた付きビンに、いろいろな雑穀をとり揃えておいて、ご飯を炊く時にコメと一緒に炊き込んでみよう。混ぜる量はコメの量の二割程度が食べやすい。食物繊維や鉄分、カルシウム、ビタミンなどが手軽にバランスよく取り込める。自分の体調に合わせたブレンドでオリジナル雑穀ご飯を楽しもう。
●アワ…干ばつに強く乾燥した土地でも育つイネ科の植物。キビやソバに次いでカロリーが少なくダイエット食に最適。タンパク質の組成も人体になじみやすく、消化を助けるアミラーゼなどの酵素も多い。鉄分は白米の一〇倍、一〇〇グラム中に五・〇ミリグラム含まれる。ちなみにレバーは一〇〇グラム中四・〇ミリグラム。貧血におすすめ。
●ヒエ…冷害に大変強く長期貯蔵にも耐え栄養価も高い、食糧危機に最適な食材。他の穀類に比べ、タンパク質が一五~一六%と多く、また脂質も可食部一〇〇グラムに四・八グラムと非常に多い。ビタミンB1、B2、リンを多く含み、特にカルシウムは玄米の三倍以上、白米の五倍以上もある。
●キビ…アワよりやや大きい粒で、黄・白・褐色などいろいろ種類がある。可食部の一〇〇グラム当たりカロリーは二九九キロカロリーで、穀類中最も少ない。食物繊維は約九%でビタミンBグループが豊富。最近アメリカではホワイトソルガム(タカキビの一種)がアトピーの代替食として注目されている。
●大麦…古代エジプトでは紀元前五〇〇〇年前から主食とされ、日本では弥生時代にコメやヒエと一緒に用いられた。消化時間が早く胃にやさしい(白米の胃の滞留時間が二時間四五分に対し、麦は四五分)。大麦は味噌や醤油、ビールの素材として、また発芽させた麦芽は菓子などの原料となる。カルシウムが白米の約七倍、鉄分が約九倍、その他ビタミンB1も多い。白米に混ぜ麦めしにすると栄養バランスが良くなる。
●アマランサス…中南米で約四〇〇〇年前から栽培されてきたヒユ属の植物。原住民インディオは、この種子を粉にしトウモロコシや豆を混ぜてパンを焼いた。一般の穀類に比べてタンパク質含量が高く、しかも体内で合成できない必須アミノ酸、リジンの含量が約二倍高いと報告され、近年世界の注目を集めている。
●キヌア…南米原産のアカザ科の植物。アンデスの高地でやはりインディオが主食としてきた。プチプチとした食感が特徴。白米の約九倍の鉄分をはじめカリウム・カルシウム・マグネシウムさらに必須アミノ酸をバランスよく含む点に着目したNASA(米国航空宇宙局)は、宇宙食として研究しているという。
●ハトムギ…中国の漢方ではヨクイニンと呼ばれ、利尿・排膿・鎮痛・滋養・浮腫・皮膚の荒れ・神経痛などの効能で知られている。必須アミノ酸が豊富で、マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄がバランスよく含まれている。













