飽食の裏側-食の再点検:ポテトチップス、油分なしで米国で大好評
普段何気なく口にしている食品は本当に安全だろうか。ヘルシーという視点に本当に気を配って作られたものなのだろうか。視点を変えて改めて見直すと意外に多くの疑問が浮かぶ。先月「アメリカでは油で揚げないポテトチップスが販売されており、感動した」という便りが届き紹介した。まずは「ポテトチップス」を再点検してみよう。
ポテトチップスがどのくらい油分を含んでいるかご存知か。従来のポテトチップス一袋(一〇〇g)は重量比で三五~四〇%程度の油分含有量を持つ。言い換えれば四〇ccの油を飲んでいることになるのだ。
そこで開発されたのが「BAKED POTETO CRISPS(焼いたポテトチップス)」だ。
そうはいっても油を使用しないと味や食感が悪くなりかねない。水分を飛ばし、歯触り良くパリッと仕上げるには油で揚げる従来の製法が最も簡単だからだ。これはポテトを一度粉末状にし、整形したものを使用することで対処した。しかし油が全くないと塩などの味がポテトに絡まない。そこで数%の油を使用し味付けをしている。
アメリカ社会にとってポテトチップスの存在価値は日本のそれと比較して数倍上をいくだろう。その社会が認め始めた「油を使わないポテトチップス」は発売して約半年が経過。発売元のフリトレー社はさらに半年後の販売予測で「わが社のポテトチップス総売り上げの約五〇%を焼きポテトチップスが占めるだろう」と予測している。消費者が真に求めているものを商品にした結果だといえるだろう。