教えてあなたのオフィス:「ジャパンエナジー」石油中心にコンビニやレンタカーも
「いらっしゃいませ!こんにちわ!」といつ来ても元気なサービスステーション(SS)。車好きの記者にとってなくてはならない、大変お世話になっている所。
……しかし、SSのこと以外は皆目知らない。価格破壊、大競争時代と言われるこのご時世、SSでお米や日常品までもが買え、また逆に近い将来にはスーパーでガソリンが買えるという。
そんな激しく、熱く動く石油業界の中で、近年際だって元気な企業がある。お馴染みの「JOMOステーション」を展開している「ジャパンエナジー」。元気企業の実態を聞いた。
石油は限りある資源だと言われ続けている。ではあと何年ぐらいで限りが来てしまうのか聞いてみた。「一般的には今のペースで使って行くとするとあと三〇年から四〇年と言われています。しかし今から三〇年前にも同じようなことが言われていました。なぜこういうことになるのか。一つは新しい油田が発見されていること。もう一つは技術の進歩によって、以前は採算の合わなかった油田からも採れるようになったりしたからです。あと一〇〇年は大丈夫だという人もいるくらいですよ」。ということは当面心配せず車を乗り回して大丈夫ということか。ホッと一安心。
「しかしなにせ石油ですから、政治的に何か問題が起こるとどうなるか分かりませんよ」とクギをさされた。こればっかりは記者も「そりゃそうだ」とうなってしまう。
では政治的な影響が少ない国内には油田はないのか。「ありますよ。ただし油量は世界の大油田に比べると極めてわずかな量です」。
価格面でも激しい動きが続く石油。消費者にとっては安いにこしたことはない。SSでの窓拭き、ゴミ捨てなどのサービスをやめ低価格にする店舗も出てきた。差別化の難しい商品を扱う上で「お客様に近づく」という企業姿勢を一層強めるという。
ジャパンエナジーという社名、「日本を代表するエネルギー企業」を表すとともに、技術開発、新規事業展開の「活力」を込めたものだと言う。平成4年、日本鉱業と共同石油が対等合併して「日鉱共石」が発足。その一年後に新時代に適応した新社名「ジャパンエナジー」と名づけられた。
ではジャパンエナジーとはどんな会社なのか。
売上高では石油関連部門が大部分を占めるが、医薬・バイオや電子材料などの新規事業も積極的に行っている。さらに一般消費者の目にとまりやすいところでは、首都圏を中心に展開しているコンビニエンス「am/pm」、レンタカーの「ジャパレン」などの関連会社がある。
石油という商品そのものが限りある資源。さらに今地球という規模で最も話題となる環境問題は常に隣り合わせにある。このことについて聞いてみた。「たとえばゴミや空気汚染をどうすべきかと考えるのではなく、ゴミを出さない、空気汚染にならないようにすることはできないのか。石油は採れる産地で性質が異なります。処理しやすいもの、しにくいもの、それぞれを最も効率良く活用する。つまり資源を大切にしながら環境に優しいエネルギーを生み出していくにはどうすべきか、ということを多面的に考えています」。
環境問題は大変重要で、とてもデリケートな問題。だからこそ積極的に取り組んでいく姿勢のようだ。
JOMOの出現は見事だった。わずか一年ですべての「共石」マークが「JOMO」に衣替えされ、極めて短期間でその認知度を高めていった。その仕掛けはテレビ、ラジオの宣伝効果はもちろんだが、石油メーカーが流通に目を向け、行動していった結果だと言えるだろう。
「JOMO」とは「Joy of Motoring(車の楽しさ、運転することの喜び)や「Joy of Movement」(成長、進歩していくことの喜び)を表現している。さらにあの印象的なJOMOのシンボルマークは「天と地」と名付けられた。これはデザイナーの巨匠・故ソール・バス氏によるもの。
最後に「一番元気な部署はどこか」という質問をした。待ち受けていた答えに反し、意外な答えが返ってきた。「女子バスケットチームがあるんですが、メンバーのうち原田裕花ら六名がアトランタオリンピックの代表選手に選ばれました。彼女たちは本当に元気ですよ。ぜひとも頑張ってほしいです」。日本女子バスケットチームのオリンピック出場は七六年のモントリオール以来二〇年ぶり。
このほか虎ノ門のビル内には道場がある。都会の近代的なビルの中に道場とは驚きだ。スポーツだけではない。すぐ横にある「ギャラリー日鉱」は芸術作品の展示スペースを提供するなど、これからのアーティストを応援する。このギャラリーは誰でも入館無料。エネルギーを創り出す会社でエネルギッシュな作品を鑑賞し、元気をお裾分けいただくのも悪くない。休館日などもあるので利用は問い合わせてがお勧め。(03・5573・6644)。