焼肉特集:トレンド新業態 ファストフード的に楽しむ「一人焼肉」

2019.01.07 479号 01面
一人焼肉が今後のトレンドになる

一人焼肉が今後のトレンドになる

 「一人焼肉」が盛り上がっている。「やきとり家すみれ」など10数業態を展開するダイニングイノベーションは2018年8月29日(焼肉の日)に東京・新橋に「焼肉ライク」1号店を、11月29日(いい肉の日)には新宿に2号店を出店。300店舗構想に向けて順調なスタートを切った。

 ●16坪で一日400人集客、日販60万円 300店舗構想に向け、FC展開スタート

 「焼肉はグループで行くもの」という固定観念が強い。一般的に「一人焼肉」というとアルコールをメーンに七輪やコンロの煙モクモクの中でつまみとして食べるというイメージがある。その固定観念を壊して、「TASTY! QUICK! VALUE!(うまい・速い・お値打ち)」の三拍子そろったファストフードとして、「一人焼肉」を再構築したのが「焼肉ライク」だ。

 牛肉はUSチルド肉を使用。ご飯は精米してから3日以内のものを、一度に2.5升を炊き、45分以内の炊き立てのご飯を提供。タレは、ご飯に合う味わい。一人1台の無煙ロースターで好みの部位を好みの焼き加減で、自分のペースで食べられる。提供は注文後約3分。料理は、トレーにのせられて提供される。卓上にはトレーがスッと収まる凹みがあり、トレーが動かず、快適な空間で食べられるように工夫されている。1人前約1200円のお値打ち価格で満足感たっぷり。家庭での個食の浸透と肉ブームにマッチし、一人で食事として焼肉を楽しみたいという客層に応えた初の業態としてリピーターも急増中だ。

 「焼肉ライク新橋店」は、午前11時の開店前から行列ができる。集客は1日当たり400人、日販60万円を売り上げる。男女比率は男性8、女性2。一人で気兼ねなく食べられることから女性のリピーターも多く、男女比率は出店地域によって変わる見込み。時間帯による客数はランチ、ディナーが半々だ。

 メニュー、サイドメニューは厳選して絞り込んでおり、厨房1.5人・サービス2人の少人数での運営が可能だ。外食産業の大きな悩みである人手不足に対応し、さらに収益性の高い業態といえる。しかし、まだ「焼肉ライク」は完成された業態ではない。店舗数を重ね、立地条件なども考慮しながら進化し続けていく業態だ。

 今後の出店計画は1都3県の駅前繁華街、次いで住宅地の繁華街、そして地方都市にはFCで展開していく。必要な坪数は18~25坪でラーメン店の跡地などに最適。19年からFCの募集も始めていく。ロードサイドへの展開も視野に入っており、ロードサイドにまで広がれば500店舗も実現可能だ。

 ●店舗情報

 「焼肉ライク新橋店」 経営=ダイニングイノベーション/店舗所在地=東京都港区新橋2-15-8新橋WBビル1階/開店日=2018年8月/営業時間=11時~23時。無休/坪数・席数=16坪・21席(19ロースター)/平均客単価=1500円/1日平均集客数=400人

 ●愛用資材・食材

 「角型無煙ロースター(SP6W)」 シンポ(名古屋市名東区)

 一人焼肉の切り札

 「My焼肉の店舗を考えた際、一番困ったのは『1人用サイズの無煙ロースターが無い』ことでした。そこでシンポに相談し、SP4Wのサイズを改良してもらい、現在のものになりました」と萬野屋・菅野功専務。一方、焼肉ライク事業部・有村壮央マネージャーは「上引き方式などすべての方式、パターンを考えました。スタイリッシュで女性が一人でも入りやすいというコンセプトに当てはまったのが、シンポの角型無煙ロースターです」と導入決定の理由を語る。

 ※SP6Wの焼き網サイズは縦170mm×横220mm。角型無煙ロースターのSP2Wは横392mm、SP4Wは横292mm。縦寸法はすべて同じだ。

 「DBLTACT折りたたみツールバッグ」 三共コーポレーション(大阪市中央区)

 バッシングスピードアップの切り札

 「焼肉ライクのバッシング(片づけ)はたぶん日本一速いと思います。それを可能にしているのがこのバッグです」と焼肉ライク・有村壮央マネージャー。もともと飲食店用ではなく、工具類を入れるためのバッグ。コンパクトタイプで、収納ポケットが多く機能的なことから採用した。

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