惣菜弁当研究所:ローカル名物紀行 大阪府「咲菜」 大阪で“家庭惣菜”大躍進
◆某大手との共存で鍛えられた現場力
大阪市を拠点に33店舗(年商38億円)を有する「咲菜」は、「ごく普通の家庭惣菜」を掲げる和風惣菜チェーン店。食肉卸・岡山フードサービス(株)の新規事業として1999年の創業以来、現場の裁量と料理の質実を尊重した独立独歩で躍進している。食にシビアな大阪での実績をもとに関東にも出店を拡大。とりわけ某大手スーパーでのテナント出店が多く、その直営惣菜売場との共存により鍛えられた手作り品質に定評がある。
惣菜弁当の品数は約80品。立地や客層により店舗ごとに品揃えが異なる中、全店に共通する人気弁当の3品を紹介する。
●「だし巻き玉子弁当」(玄米入りご飯) 税抜き520円/約640g
バランスとサプライズを両立
全面を覆うだし巻き玉子が衝撃的だが、玉子をめくると、さらに驚愕。切り干し大根、ヒジキ煮、サケフレークが隠れており、その下には玄米ご飯。見た目、一点豪華な嗜好弁当からバランス志向の健康弁当に早変わり。食べる際、周囲からの熱い視線は確実だ。
●「おにぎりセット」(コロッケ) 税抜き400円/約441g
ほのぼのと完成度の高いシンプルセット
全売上げの約4%を占める弁当の一番人気。単品販売で13品あるおにぎりから2品、おかず1品、だし巻き玉子の組み合わせ。おかずはコロッケ・唐揚げ・肉団子の3種類。ラップに包まれたおにぎりの手作り感、気取らないフードパックの日常感が好印象。
●「鮭のり弁当」 税抜き520円/約477g
二枚葉のバランがいい仕事
全売上げの約2%を占めるロングセラー弁当。おがずは単品販売でも看板を張る惣菜3品。いずれも主役級だけに存在感と見栄えは抜群。それぞれの個性が生きるように、間に入ったバランの仕事も秀逸。二枚刃の切れ味よろしく二枚葉の切れ目が冴えた盛り付けだ。
◆店舗情報
「咲菜」 経営:(株)千惣
本社・大阪市住吉区苅田7-3-10