いしざか農園、新たなコメ栽培 食味向上に海水散布
【新潟】いしざか農園(南魚沼市新田)は、2016年に初出展した「フードメッセinにいがた」で首都圏の百貨店バイヤーと出会ったのを機に、新たなコメ栽培への取組みが注目されるようになった。
その取組みとは、田んぼに日本海の海水を散布すること。コメの食味を向上させる農法で、さまざまな賞を獲得している。
同農園の石坂光司氏は、少量しか生産できず価格が高くなるが「南魚沼産『しおざわコシヒカリ』の味にはかえられない」と言う。
いしざか農園の田んぼは湧水に恵まれている一方で、砂地で水持ちが悪く窒素量も少なかった。土壌改良にミネラル鉱物と完熟堆肥を使用。追肥に魚肉タンパク、胚芽タンパク由来の有機質100%肥料を活用している。
秋には刈り取り後の籾殻を土壌に混ぜ、刈り取り前の仕上げに日本海でくみ上げた海水を希釈し散布する。
17年には第4回すし米コンテスト国際大会「品質ランク賞」受賞、18年には米・食味分析鑑定コンクール国際大会でBEST FARMER賞を受賞した。
石坂氏は「父の“米づくりは土づくり”」という言葉を常に意識し、家族で年間約25tを生産。生産増には作業場や農機具格納などのスペース確保も課題だが、若い世代に「カッコイイ!農業は伸びていく仕事なんだ」と思われる活動をしていきたいと語る。(山田由紀子)