8月28日。今日はニワトリの日
毎月28日はニワトリの日
とくに神聖な鳥だった鶏
弥生時代の日本人は農耕文化が定着し始めたため、家畜の肉を食べる習慣は広がらず、これらの肉は食べるものではないとの観念をもっていた。なかでも鶏は神聖な鳥として、肉や卵は食されておらず、以降明治まで鶏については文献にほとんどでてこない。
ところが古墳時代に入り、肉を煮たり焼いたりする肉料理が作られ、肉汁も利用された。貴族の間では、鳥獣の肉を薄切りにして乾燥させた脯(ほしじ) や肉(宍)醤(ししびしお)といわれる調味料も造られていた。
しかし、大和朝廷の538年に百済から仏教が日本に伝来し、肉食を忌み嫌う仏教徒の風習にならい、天武天皇は676年に「殺生禁断令」すなわち「肉食禁断令」で「牛、馬、犬、猿、鶏の肉は食べてはならぬ」布令を出した。このなかに猪(豚)と鹿が入っていないのは、「放生令」により自然に帰しなさいという指令を天武天皇が出したためである。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:ツカダ食健事務所 塚田 武 ))