国分グローサーズチェーン、無人店事業を推進 配送体制整備し拡大へ
国分グローサーズチェーン(KGC)は無人・省人化店の事業化を進める。店名を「スマピット」と決めて、オフィスや事業所内に導入を図る。配送体制も整備し、出店拡大に備える。スマピット以外でも他社との協業を開始するほか、同業の無人店事業者への商品供給も増えるなど事業展開が広がっている。
スマピットについて横山敏貴社長は「自動販売機以上、コンビニエンスストア未満がコンセプト。日本橋に実験店を出して1年たって、いろいろなことを学んで、オペレーションもこなれてきた。課題もあるが、積極的に出店していく」と意気込みを示した。
現在、実験中は3ヵ所あるが、年内には10ヵ所程度に広げたい考え。無人店に商品供給のために荷さばき場が必要になるため、販売機能も持つベースショップを6月から東京・東陽町の国分首都圏のビル1階に設けた。今後もいくつかの母店となるベースショップを設置し、そこからサテライトとなる近隣店に配送する仕組みを構築する。
スマピット以外にも事業が拡大している。無人店舗の同業者への商品供給も520ヵ所に増え、年内には800ヵ所を超える見込み。
置き惣菜など社食サービスの「おかん」と業務の連携も始めた。国分グループで経理を専門に担う東京・日暮里にある国分ビジネスエキスパート内で9月24日から稼働し、そこでは、おかんの商品を取り扱い、レジはKGCのものを使う。
無人店の課題もある。規制で弁当や牛乳が扱えないが、解決方法を検討しているという。
ほかにも無人なので品出しができないほか、オフィス内の空調が切れるとオープンケースが室内の水分までも吸ってしまい、蒸発しきれなくなるのは予想外だった。10連休中には日本橋の実験店ではオープンケースの電源を切らざるを得なかったという。機械や冷蔵ケースのメーカーと相談しているところ。
KGCの今上期(19年1~7月累計)の実績は全店ベースで前年比0.8%増、既存店で2.7%減だった。店舗数は7月末で510店、このうち標準店が60店、非標準店が450店。(山本仁)