キラリと光る中小飲料メーカー特集

◆キラリと光る中小飲料メーカー特集:「雇用維持」「社員守る」強い信念で活路を

飲料 2020.08.07 12093号 08面
日本人の心の中に広がる「ラムネ」

日本人の心の中に広がる「ラムネ」

居酒屋文化の継承に注力する「ホッピー」

居酒屋文化の継承に注力する「ホッピー」

 中小飲料企業を取り巻く環境は厳しさを増している。今春から続く、新型コロナ感染症の拡大は各社に大きな影響を与えている。だが、その状況下で、じっとこらえながら、知恵を絞り、ウィズコロナやアフターコロナへの対応や逆襲を狙う。今回の取材を通じ、「事業継承者」としての共通する思いをあらためて感じることができた。それは、厳しい状況下であればあるほど、「雇用の維持」や「社員やその家族の生活を守る」という強い意志と信念だ。「人と人とのつながり」を大切にしながら、各社は活路を切り開いていく。(本吉卓也)

 ●「人と人とのつながり」大切に

 中小飲料企業の多くは、「会社(経営者)と従業員が向き合っている」という濃密な人間関係があるのが特徴となる。先代や先々代への敬意はもちろんのこと、代々受け継がれてきた社員や従業員などの関係性の近さから、その結束の固さや絆は中小飲料企業が持つ強みであり、魅力だろう。「家業は家族になる」「従業員は家族でもある。従業員の家族もまた家族となる」など、その関係性から、組織内の風通しの良さや意見が自由闊達(かったつ)にいえる環境は、中小飲料企業の強みとなる。

 だからこそ、各経営者は事業継承者として「雇用の維持」や「社員やその家族の生活を守る」ことを最優先に取り組んでいる。

 今春からのコロナ禍で、取引先となる居酒屋などの外食産業が大きな影響を受ける中、「存在意義を見つめ直し、取引先も社員の生活も守りながら、従来以上に顧客の課題解決や価格以上の価値の提供に取り組む」三田飲料。「終戦直後に生まれた『ホッピー』の強みを生かした『発幸』プロジェクトにより、社内外の『人と人とのつながり』を大切にしながら、居酒屋文化の継承にも注力する」ホッピービバレッジ。「『調和と協調』という考え方によるクライアントとの信頼関係強化や社内のコミュニケーション強化に取り組み、皆で支えあっていく」スミダ飲料など、各社はそれぞれの考え方や強みを生かし、この難局に立ち向かっていく。

     *

 関東でもようやく梅雨明けが宣言された。地サイダーや地ラムネ、スムージーやカットフルーツ、ドリンクまわりの商材、お酒の割り材、かき氷のシロップなどの製品を扱う中小飲料企業が多く、一日も早い暑い夏の到来を心待ちにしている。

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