多忙でも読める外食ニュース
●スシローグループ台湾茶専門店出店
スシローグローバルホールディングス傘下のスシロークリエイティブダイニングが、アジアを中心に世界で500店舗以上を展開する台湾茶専門店「シェアティー」の日本1号店を東京・新宿に出店。同店は1992年、台湾で創業。専用のティーエスプレッソマシーンを導入し、出店する国や地域ごとにメニューをローカライズするのが特徴という。台湾の同ブランド本部と同社が日本における合弁会社を設立し、新宿の中心エリアにある「新宿マルイ本館」の1階に入居した。
解説=スシロークリエイティブダイニングは、寿司居酒屋の「鮨・酒・肴 杉玉」ブランドを運営する事業会社だ。飲酒主体の居酒屋ブランドから一転して台湾茶の専門店を手掛けるのも、昨今の不安定な情勢を踏まえてのことだろうか。
●著名飲食ブランドの撤退大幅縮小が相次ぐ
新型コロナウイルスの影響下で、国内から撤退したり大幅に規模を縮小する飲食ブランドが続出している。銀座ルノアールはカナダの「ブレンズコーヒー」本部とのライセンス契約を終了し、青山の日本1号店を喫茶室ルノアールに転換。トランジットジェネラルオフィスが2015年にスタートさせた台湾かき氷の「アイスモンスター」も日本から撤退した。また、10年に日本に初上陸した米国のスポーツバー「フーターズ」は、赤坂の日本1号店を閉店し、銀座の1店舗のみが残る。
解説=海外ブランドだけではなく、1964年に東京・神田で創業した洋食店の老舗ブランド「キッチンジロー」も、既存15店舗のうち13店舗を閉店。同店は18年に、ファミレス「ジョイフル」を運営するフレンドリーの傘下に入った。
●コロワイド、大戸屋TOB終了。臨時株主総会へ
コロワイドが7月から実施していた大戸屋ホールディングス(以下、大戸屋HD)に対する株式の公開買付け(TOB)が終了した。コロワイドが既存に保有していた大戸屋HDの株式と合わせ、持ち株比率は約47%となり、実質的に同社の傘下に入ることがほぼ確定する。コロワイドが要求した臨時株主総会の開催に対して、大戸屋HDは11月に開催を決定した。コロワイド側は取締役全11人の解任などの議案を開催請求に盛り込んでいる。これらについて大戸屋HD側は、臨時株主総会での株主判断に任せるという姿勢だ。
解説=ここ数年、大戸屋ホールディングスは業績が伸び悩んでいたが、新型コロナウイルスの影響もあって今年はさらに悪化している。コロワイドの主張はあくまでも経営の再建であり、大戸屋のブランドは生かす方針と伝えられる。
●新宿駅西口エリアで再開発が活発化
東京の小田急電鉄と東京地下鉄(東京メトロ)が、新宿駅西口の再開発に基づき、現在小田急百貨店などが入居する建物を地上48階、地下5階の超高層ビルに建て替える計画を発表。これにより、同建物の地下部分で1966年から営業を続けて来た小さなレストラン街である「メトロ食堂街」が、9月末で閉館となった。同レストラン街は東京地下鉄が運営、約54年間という長期間にわたって新宿駅の利用者から親しまれてきた。計画ビルの着工は22年、竣工は29年という遠大な計画であり、最終的な全体像はまだ流動的だ。
解説=新宿駅の中心部分は過去あまり大きな構造の変化がなかったが、近年の南口エリア再開発や、7月にオープンした駅の東西を結ぶ自由通路など、近年は変貌が大きい。明治安田生命新宿ビルなどの西口駅前ビル群も再開発される計画だ。
●都心に飲食メインの商業施設が続々開業
9月に入り、東京都心ではフードテナントを中心にした比較的小規模な商業施設が立て続けに開業している。再開発が進行中の竹芝エリアでは、東急不動産と鹿島建設が「東京ポートシティ竹芝」オフィスタワー内にオープンした全21店舗の「竹芝グルメリウム」をはじめ、大和ハウスグループのフジタが原宿・神宮前に全18店舗の「COMICHI」、JR東日本が日比谷の鉄道高架下に全30店舗の「日比谷OKUROJI」をオープン。いずれも、飲食と食物販が中心の小型商業施設だ。
解説=東京の都心部では、主要駅などを中心に政府の政策を踏まえた大規模再開発が活発に進められている。しかし人口減少と高齢化が進む日本で、都心といえども今後商業需要の拡大が見込めるかどうかは不透明だ。
●串カツ田中が初の新業態店舗を出店
串カツ田中ホールディングスの子会社セカンドアローが、同グループ初の新ブランドとなる「鳥と卵の専門店 鳥玉」の多店舗化に着手。沖縄の既存4店に次ぎ、横浜の商業施設に出店。鳥料理と卵料理中心の非アルコール業態。
●グローバルダイニングパスタ専門の新業態
グローバルダイニングが、同社の主力ブランドの一つである「カフェ ラ・ボエム」の新業態として、パスタ専門店「ラ・ボエム パスタフレスカ」を出店。出店は三井不動産が運営する「ららぽーと愛知東郷」で、同社の東海地区への出店は初めて。
●アークランドSとろろそば新業態
アークランドサービスホールディングスが、また新業態をオープン。子会社のアークダイニングを通じて、とろろそば専門店の「東京とろろそば」を東京・五反田に出店。トッピングに工夫を凝らした温・冷のとろろそばを、立ち食いそばのような感覚で提供する。
●サザビーリーグがスープの新ブランド
サザビーリーグが、新しい食のブランド「チャービーボーンブロス」を立ち上げた。同ブランドは、鶏や牛、魚などの骨からだしをとったスープであるボーンブロスをメインにした新業態。まずは同社の「ロンハーマン カフェ」千駄ヶ谷店でポップアップ展開を行う。
●「餃子の王将」テーマのTシャツなどを販売
「餃子の王将」をテーマにデザインされたTシャツやバッグ、雑貨などが、ファッションブランド「レイジブルー」から期間限定で発売となった。王将フードサービスが「レイジブルー」を展開するファッション専門店チェーン大手のアダストリアとコラボした企画。
●セクションエイト1対1の相席新業態
出会い系飲食店の「相席屋」などを展開するセクションエイトは、シングル客同士を1対1で相席させる新業態「THE SINGLE(ザ・シングル)」を東京・新宿にオープン。同店は完全会員制のシステムで、店内は全席個室。短時間で席の交換などを行い、一人客同士の出会いを演出する。
●ユナイテッド&Cがゴーストレストラン参入
居酒屋「てけてけ」などを展開するユナイテッド&コレクティブは、「ウーバーイーツ」で提供するゴーストレストラン3業態を同時オープン。それぞれの主力商品は鉄板焼肉、低温調理のサラダチキン、デカ盛りの唐揚げで配達エリアは東京・三軒茶屋。
●ロイヤルグループ注目の取り組み
ロイヤルホールディングスは、「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」など、グループ内ブランドのメニューをデリバリーやテイクアウトで利用できる新たな取り組みをスタートした。東京都内にあるグループのコントラクト事業会社の施設を活用して実施する。
●「スシロー」初のテイクアウト専門店
あきんどスシローが、「スシロー」ブランド初のテイクアウト専門店を期間限定でオープン。出店場所は兵庫県のJR芦屋駅構内。改札脇のスペースで1カ月半ほど期間営業する。今後もサテライト店舗という位置付けで、物販店舗の出店に取り組む計画だ。
●フレーバーワークス親子丼の新業態
アパレル会社ベイクルーズグループ傘下のフレーバーワークスが、親子丼専門の新業態「親子丼 ごっつ食べなはれ」を東京・中目黒に出店。同社の既存ブランドである「おむすび ごっつ食べなはれ」の派生業態で、4種類のブランド卵を使用するなど、こだわりの親子丼を提供する。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
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