フードコート特集 実験店作り、強味生かし積極提案
(株)ロッテリア(東京都新宿区、03・5388・5687)は3月、群馬県のイトーヨーカドー伊勢崎店にロッテリアとロッテグループの外食産業を集積したフードコート「ペリカンビレッジ」をオープンした。同社としては、神奈川県のテーマパーク八景島、東京・大井町の駅ビルにつぐ三店舗目である。それぞれ立地が全く異なるため、実験店としての位置づけでもあり、今後仮説と検証を繰り返し向上させていく。
初のトライである焼き物のお好み焼きの店「お好み・ペリカン」のほか、ハンバーガーショップ「ロッテリア」、飲茶・中華の店「横浜八景楼」、「レディーボーデンアイスクリームショップ」の四業態からなり、客単価は中華八八〇円、お好み焼き五七〇円、ロッテリア七〇〇円、アイス四四〇円を想定している。
やはり一括したトータル管理で▽フロア(空間)を一つのコンセプトでまとめることが出来る▽厨房、バックヤードの共通化で省スペースですむ▽ごみ処理など作業オペレーションの共有化で人件費の削減可能▽オール時間帯で客層をカバーできる(昼はロッテリアと中華、アイドルタイムはお好み、アイス)などのメリットをどこまで追求できるのかを探っていく。
いずれにしても、フードコート一括管理は将来性があるとみている。また、ナショナルブランドの強みを生かし、ショッピングセンターなどへの地位の低かった外食からの提案をしていくことにも注力している。腹を満たせばよいという死角の分野を、外食からの企画提案で活性化させていく。
明治サンテオレ(株)(東京都世田谷区、03・3792・6251)は、他のFF企業に先駆けて明治乳業の物流網を背景にフードコート、観光地、スキー場などに出店して他社と差別化を図ってきた。ここにきてフードコートの一括管理に着手、この秋にも第一号店がお目見えする。現在、最後の詰めに追われているところである。「早い段階で実績を積みカスタマーに紹介していきたい。デベロッパーには開発のキーワードは食にあることを提案していく」(同社)と、事業化していく方針を固めている。
日本食堂のサンディーヌも、「サンディーヌエキスプレス」として東京・八重洲北口にFFのフードコートからなる新しい形のFFを展開している。今のところショッピングセンターに入る予定はないが、駅構内などで展開していく予定だ。
このような専門業態を育てて一括管理を目指す企業とは袂をわかちながらも、ショッピングセンターに的を絞り単体で急速に出店を増やしているのがマクドナルドである。
九四年七五店、九五年一三〇店、九六年一七〇店、九七年二〇〇店の出店を予定しており、マクドナルド五万店体制の牽引となっている。これまでの一等地立地の駅前大型店型から全方位型になり、FF業界では低位価格とともに驚異になっていることは確かである。
このように、ナショナルブランドが積極的にフードコートに参入することで、市場が活性化し、品質・サービスが向上し、ひいては既存店の見直しも迫られてこよう。