九州地区新春特集

清涼飲料 2021.01.04
九州地区新春特集

 ◇移動激減、ネット購買増える
 新型コロナウイルスの流行は昨年春先から本格化し、盛夏も衰えることなく、人々を不安に陥れた。そのまま秋から冬へと気温の下がる時季を迎え、北海道、東京、名古屋、大阪と深刻な感染者数を記録した。
 すべての場所での「密」が敬遠、自粛され、ホテル・レストランなどの外食業や福岡市でも夜の街、中洲界隈は廃業が相次いだ。それに伴い観光業もそれまでのアジア客を目当てにしたインバウンド需要の激減、国内での政府のGoToキャンペーンで一時的には盛り返したものの、前年水準からは程遠い低迷ぶりとなった。
 人の移動が減って、空路、陸路を含めて公共交通機関は軒並み、赤字決算を強いられ、それらの拠点でにぎわうお土産市場も極端に冷え込んだ。
 コロナ禍は、年を越え祝うべきニッポンの新年の風景も様変わりした。一般消費の目安となる小売業販売額も各社見通しを立てることが難しく、今年度着地予想は未定が多い。
 昨年1年間を振り返ると、外食から内食へと移行したトレンドは今なお続き、今後の消費動向がどこに向かうか明確に予想できない状況が続いている。
 九州に限らず全国でも毎日の食材を扱う食品スーパーは軒並み最高益を記録し、2月決算では好業績が期待される一方、GMSなどの大型店は苦戦を強いられた。
 ホームセンターは絶好調で、巣ごもりによるDIY商材は活況を呈する中で、百貨店は消費者心理の冷え込みを含めて、苦戦の日々が続いた。その中で、ネット購買が増加し、消費の姿が変わりつつある。(九州支局長=堀江勝)