トップが語るわが社の秘策 松屋フーズ・瓦葺利夫社長

1996.01.01 92号 18面

(1)今年度もそう市場環境に変化があるとは思えない。株式市場もまだまだ元気がないし、金融業界もトラブル続きなので、今や経済基盤そのものが揺らいでおり、企業レベルでの努力に限界があるということ。

(2)当社の課題は引き続きチェーンスケールを拡大していくこと。出店数は昨年11月末一〇〇店舗の区切りを達成した。

出店は直営主体で、まだ一般募集でのFC店は出していないが、これは今年度の課題の一つとして考えている。

チェーン展開は年間二〇~三〇店の計画で推進しているが、残念ながら目標達成率は五割前後という結果に終わっている。

いい物件が手当てしにくいことが大きな理由だが、現実はライバルチェーンや他社との競合もあり、当社の思惑だけで推移しないということ。

メニューは牛丼だけではない。当社の場合はハンバーグや焼き肉など定食類も提供しており、あくまでも消費者の利便性に立った営業形態をとっている。

店舗の立地は駅前や商店街など二四時間営業が可能な場所、平日、土・日の差がなく、安定して集客が見込めるところ。

店舗規模は二〇~三〇坪。月商一〇〇〇万円前後。一店舗当たりの投資額が物件取得費を含め八〇〇〇~九〇〇〇万円と大きいから、それだけ売上げに確実性がなくてはならない。

税引前利益二〇~二五%。四、五年内に資本回収するシステムなので、その分ベストロケーションが不可欠であるわけ。

(3)九六年3月期は売上げ一三五億円、前年比一五%増、経常利益一二億円、同一四%増の見通しで、これは既存店が前年並みを維持したこと、新規出店分が上乗せになったことが理由。

FCについては物件所有者、経営基盤の確立している企業を対象に考えているが、当社の事業方針はあくまでも「消費者本位」。企業の論理ではなく、消費者の都合に合わせていくということで、これが厳しい市場環境を乗り切る方策だと信じている。

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