メニュートレンド:カマンベールもんじゃ なんでも入れればいいわけじゃない
「六文銭」が店を構える浅草界隈は、もんじゃ店がひしめき合う。「具材はなんでもあり」といっていいほど、もんじゃメニューのバラエティーは豊かだ。そんな中で群を抜いて知名度が高いのが、同店の「カマンベールもんじゃ」だ。
●原点は下町の駄菓子屋の味
もんじゃ焼きの始まりは、下町の駄菓子屋で小麦粉を水で溶いて薄くのばして焼いたものといわれている。「六文銭」は創業昭和55(1980)年の“浅草もんじゃ”の老舗店。「浅草でもんじゃを出したのはうちが4軒目」と語るのは丹波孝子オーナー。
同店のもんじゃメニューは、明太子、牛スジ、豚キムチ…など30種類以上ある。一見、もんじゃの具材にはなんでも合うように思えるが、「うちはあくまで駄菓子屋時代のもんじゃ焼きの味にこだわり、粉とソースの味を大切にしています。具材はその味に合うものを選ぶようにしいるから、なんでもいいというわけではないし、たくさん入れればいいというものでもないんです」と老舗店のこだわりがある。
「カマンベールもんじゃ」誕生のきっかけは、オーナーの後継者の丹波靖博氏がスーパーに買い物に行った際、ふとカマンベールチーズが目に留まり「これを丸ごと使ったらインパクトがある」とひらめいたことにある。
メニュー化当初の評判もまずまずだったが、人気ユーチューバーの動画にアップされたことで爆発的にヒットした。丹波氏のひらめき通り“映える”見た目が多くの人の心をとらえたというわけだ。テレビをはじめ多くのメディアが取り上げ「六文銭のカマンベールもんじゃ」は、今や大ヒットメニューになっている。
「他店にはないものを出したいので『これを入れたらどうか?』と常に新しいメニューのことを考えています。でもうちのもんじゃの原点は下町の駄菓子屋の味。そこはブレることなく、新メニューが作れたらと思っています」と、もんじゃのメニュー開発は可能性に満ちている。
●店舗情報
「六文銭」
所在地=東京都台東区浅草1-16-9/開業=1980年/坪数・席数=18坪・28席/営業時間=11時30分~20時/平均客単価=1300円/1日平均集客数=40人
●愛用食材・資材
「キャステロ カマンベール」 輸入者=エム・シー・フーズ(東京都千代田区)
デンマーク産の本格的な味
デンマーク産の上質な牛乳を使用した、ソフトで食べやすい白カビタイプの熟成カマンベールチーズ。「最高品質のカマンベールチーズを丸ごと1個使って、見た目もインパクトがありますが、味も抜群です。加熱すると、とろけるような滑らかな口当たりになりおいしさが倍増します」と丹波オーナー。
規格=125g