多忙でも読める外食ニュース
●幸楽苑、創業店名を冠した餃子バル出店
幸楽苑ホールディングスが、昨年末に新業態「餃子の味よし」を東京・渋谷にオープンした。既存の「幸楽苑」店舗をリニューアルし、ハイボールや日本酒などを含めて40種類以上のドリンクを揃えた餃子バル業態。同社の創業店舗である「味よし食堂」に由来した店名を冠して、創業当時の調理法“揚げ焼き”を再現した「焼き餃子」を中心に提供する。テイクアウトに対応するのはもちろんだが、店頭に冷凍の「餃子・らーめん」を販売する自動販売機も設置している。
解説=同店は、客席の間仕切りなどを取り払い大幅に席数を増やしている。飲酒系チェーンの多くが食事系業態へと転換を進める中、「大衆酒場」と書いたのれんを掲げ、あえてバル業態へと転換した決断がどのような結果を見せるのか。
●外食アワード2021発表、コロナ禍の躍進がカギ
外食産業記者会が選ぶ「外食アワード2021」が発表された。外食事業者では、「スシロー」「杉玉」などを運営するFOOD&LIFE COMPANIESの水留浩一氏、卓上設置の「0秒レモンサワー」が大きな話題となったGOSSOの藤田 建氏、コロナ禍で複数業態を機動的に展開したDREAMONの赤塚元気氏、ハンバーグの新しい可能性を示した「挽肉と米」の山本昇平氏、清宮としゆき氏、小西利行氏らが受賞。価値観の転換と機動性が大きなポイントとなった。
解説=外食支援事業者の部門では、非接触で24時間冷凍品の販売ができる自販機「ど冷えもん」を発売したサンデン・リテールシステムの専務である野口克氏が受賞。外食キーワード部門は「ミートショック」「チキンバーガー」など。
●「アロハT」のゼットン、アパレル大手の子会社に
昨年12月「アロハテーブル」などを手掛けるゼットンが、アパレル大手のアダストリアと資本業務提携契約を締結し、同社引受けの第三者割当増資を実施すると発表した。また、アダストリアはゼットンに対して株式公開買付け(TOB)を行い、ゼットンを連結子会社化する意向を表明。諸々の経緯を経て年明けに増資が完了し、アダストリアは約25%を持つゼットンの第2位株主となった。1月よりTOBが開始され、第1位株主であるDDホールディングスの動向が注目されている。
解説=昨年2月、創業者の稲本健一氏が辞任したゼットンは、ダイヤモンドダイニンググループ内での立ち位置の変化が伝えられてきた。また、アダストリアはかねてから外食関連事業に関心を示しており、試行錯誤を繰り返している。
●料理デリバリーの、フードパンダ日本撤退
ドイツ企業デリバリーヒーローが運営する料理デリバリーサービスの「フードパンダ」が、1月末で日本国内の営業を終了し日本から撤退。同時に、同社はドイツでの事業も縮小し、新しい事業分野などへ移行する計画であると発表。日本国内での事業は売却されるという。「フードパンダ」が日本市場に参入したのは2020年9月、そこから20以上の都道府県に展開したが、1年半にも満たない期間での撤退となった。同社は撤退の要因として、競争の激化と配達員の確保困難を挙げている。
解説=同社は2011年に欧州で料理デリバリーサービスを開始し、世界約50ヵ国に展開している。日本国内には「ウーバーイーツ」と「出前館」という既存ブランドがあり、同社はコロナ禍の追い風でも食い込むことができなかった。
●天ぷらの綱八が、モダンな鶏天の新業態
大正13年創業の老舗天ぷら専門店「天ぷら新宿つな八」を運営する綱八が、テイクアウト・デリバリー専門の新業態「ちきてんTOKYO」を東京・中目黒にオープンした。同店は、天ぷら職人の技で揚げた鶏むね肉の天ぷら「鶏天」の専門店。鶏唐揚げのような小さな鶏天をモダンな包材に入れて販売する。オリジナルのマヨネーズソースなど複数のソースが選べるほか、鶏天の弁当やプリンなども販売。新たなロゴマークも制作し、ファストフード風のスタイルで顧客の拡大を目指す。
解説=天ぷら専門店の「つな八」は、時代に即して外食の変化に対応しつつも、老舗の和食ブランドとして堅実な経営を続けてきた。しかし、この2年間の環境の激変は、やはり大きなチャレンジを余儀なくさせるものであったのだろう。
●「ホノルルコーヒー」全13店舗を閉店
フジオフードグループ本社が運営する米国ハワイのカフェブランド「ホノルルコーヒー」が、1月に全13店舗をすべて閉店した。コロナ禍での環境悪化に加えて、米本社とのフランチャイズ契約期間が終了したためであるという。
●「吉野家」がモンゴル1号店をオープン
吉野家ホールディングスが、モンゴルの首都ウランバートルの商業施設に「吉野家」のモンゴル1号店をオープンした。昨年10月にフランチャイズ契約を締結したモンゴル企業を通じての出店で、5年以内に15店舗を計画する。
●サガミレストランツ十割そばの新業態
サガミホールディングス傘下のサガミレストランツは、昨年10月にオープンした十割そばの新業態「長助」の派生ブランドとして「二代目長助」を同じ愛知県内に出店。「長助」と同様セルフ方式の十割そば業態だが、ややメニューが異なる。
●ブルースターバーガー新スタイル店を出店
ダイニングイノベーション傘下のブルースターバーガージャパンは、「ブルースターバーガー」のコンセプトストアを東京・渋谷に出店。イートイン55席を備え、パティを増量しメニューを大幅に充実させて、よりグルメバーガーの雰囲気を強めた。
●大宮駅にご当地食の横丁スポット開業
埼玉県のJR大宮駅構内にあるエキナカ商業施設「エキュート大宮」に、横丁スタイルの飲食ゾーン「全国ご当地グルメコート大宮横丁」がオープン。「恵比寿横丁」や「渋谷横丁」などを手掛けた浜倉的商店製作所がプロデュースと運営を担当する。
●「かつや」元社長がキッチンカー新業態
2006年からアークランドサービスホールディングスの社長を務め、昨年会長に退いた臼井健一郎氏が、自ら創業した企業でキッチンカー業態「東京ミートボール」をスタートさせた。同氏は、「かつや」「からやま」などを拡大した立役者。
●韓流「ベジテジや」の初フードコート業態
ゴリップが展開するサムギョプサル専門の韓国料理ブランド「ベジテジや」が、初のフードコート業態「ソルロンタンとキンパとサムギョプサル ベジテジや」を東京・お台場の商業施設に出店。同店は、韓国料理のスープをメインにした新業態。
●「BAGEL&BAGEL」コーヒー店とコラボ
JFLAホールディングス傘下のアルテゴが運営するベーグル専門店「BAGEL&BAGEL」が、同グループの阪神酒販が運営するカプセルコーヒー店とコラボした新店をJR大阪駅にオープン。さまざまなブランドのカプセルコーヒーが楽しめる。
●ふぐ料理店「玄品」、デリバリー展開
とらふぐ料理のブランド「玄品」を展開する関門海は、多くのデリバリー専門ブランドを運営するSBICとライセンス契約を締結し、デリバリー専門ブランド「玄品ふぐ 出前」を展開する。昨年末に神奈川県に出店。年明けには埼玉、東京などに展開する計画という。
●WDIが老舗すき焼き、「ちんや」ののれん継承
WDI JAPANは、明治から続く創業141年の老舗すき焼き店「ちんや」を3月に再オープンさせる。同店は昨年8月に閉店したが、それにともなって同社が「ちんや」ののれんを継承し、既存店の近隣に新規店舗を構えて事業を引き継いだ。2月より予約を受け付ける。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略