メニュートレンド:混ぜナムルに注目 ありそうでなかった質実剛健のサイド逸品

2022.04.04 518号 02面
ぜったいナムル 748円(税込み)

ぜったいナムル 748円(税込み)

豆モヤシの豆が取れないように注意して優しく混ぜ合わせる

豆モヤシの豆が取れないように注意して優しく混ぜ合わせる

伝説盛り 5,478円(税込み) 厚切り焼肉の元祖を標榜。分厚いタン・ハラミ・ヒレの盛り合わせ

伝説盛り 5,478円(税込み) 厚切り焼肉の元祖を標榜。分厚いタン・ハラミ・ヒレの盛り合わせ

10坪につき月商300万~500万円の事業モデルを構築しFC展開を加速

10坪につき月商300万~500万円の事業モデルを構築しFC展開を加速

カウンター席、テーブル席、小上がりの掘りごたつ席を用意

カウンター席、テーブル席、小上がりの掘りごたつ席を用意

 ありそうでなかった、コロンブスの卵のような、質実剛健のサイドメニューが、ひそかにはやり始めている。その名は通称「混ぜナムル」。早い話、各種ナムルを混ぜ合わせた簡単料理なのだが、おいしさも差益も抜群。ナムルはイマイチと悩んでいる店には、まさに救世主といえる。素朴な疑問から考案された混ぜナムル誕生の経緯を取材した。

 ●ビビンバの“まぜまぜ”を参考に考案

 人気の火付け役は2008年に東京・錦糸町で開業した「焼肉ここから」(38店舗)の「ぜったいナムル」だ。開業当初から自信満々に打ち出したが、ほとんど前例がないため、店員がイチオシの案内を地道に続けて着実にリピートを積み上げた。現在は案内する必要のない看板料理に台頭。30席相当で日販40~60食を誇り、キムチに匹敵する人気ぶりを見せている。

 独立前、焼肉トラジに在籍していた浅田一世社長は、「昔、なぜナムルを混ぜないのか不思議に思っていた。石焼きビビンバはよく売れるのに、ナムルはあまり売れない。売れても完食されるのは豆モヤシだけ。センナムルは手つかずのときもある。混ぜれば絶対に売れると思っていました」と明かし、「そもそも朝鮮料理はビビン(混ぜる)が得意。その基本に従ったまで」とシンプルに説く。

 作り方もシンプル。オーダー受注後、ナムル4種(豆モヤシ、ホウレンソウ、ゼンマイ、大根)をボウルに合わせ、ごま油、白ごま、ちぎった韓国海苔を加え、手でよく混ぜ合わせれば完成。作り置きはタブーだ。調理の決め手は大きめにちぎった韓国海苔と水気をよく切ったセンナムル。「センナムルの酸味と韓国海苔の風味が絶妙なアクセントを奏でる」(浅田社長)と言う。

 ナムルは焼肉料理に必須だが、昨今は存在感がイマイチ。注文されても残されたり、売れずにロスとなるのも珍しくない。近年、焼肉店のナムルは品質が落ちたと叫ばれているが、それは「作り置き」が増えたからに過ぎない。基本通りに作りたてを提供すれば、ごま油の風味と野菜類の鮮度が生きた、利益率の高い名脇役が復活する。

 浅田社長は「世の中のナムルを変えた男、を目指します!」と意気揚々。その傑作をぜひ試してほしい。

 ●店舗情報

 「焼肉ここから」(38店舗)

 経営=ISSEI/本社所在地=東京都墨田区緑1-21-10 BR両国2ビル/開業=2007年3月/坪数・席数(平均)=約23坪・38席/営業時間=日中店・11時30分~14時、17時~23時30分、深夜店・17時~翌5時/平均客単価=昼1200円、夜5000円/平均集客数=40~60人(店による)

 ●愛用食材・資材

 「純正ごま油」貝塚正雄商店(茨城県かすみがうら市)

 鼻に抜ける香りのよさが抜群

 焼肉のタレ、ヤンニョンジャン、ナムルなどの各種料理に欠かせない「純正ごま油」。多くの製品を試した上で、店の味づくりに最適なタイプを選び、本品に決定した。焼肉独特の味わいを演出する風味に優れ、とりわけ鼻にスッと抜ける香りのよさが抜群だという。貝塚正雄商店は大正10年創業の食品ごまの加工卸メーカー。昨年100周年。

 規格=1650g

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