アポなし!新業態チェック(191)「Koko Head cafe」
●ハワイの人気カフェがまた日本に オーナーシェフのユニーク料理、現地では話題のアジアンテイスト
東京・銀座を中心に、黒豚しゃぶしゃぶ「羅豚」などの高単価なブランドを展開しているフードバンクが、ハワイで人気のカフェ「Koko Head cafe(ココヘッドカフェ)」を東京・丸の内の新丸ビルに出店した。同店は2014年にハワイ・ホノルルにオープンした朝食系のカフェ。テレビの料理番組などで知名度の高いニューヨーク出身の料理人リー・アン・ウォン氏がハワイに拠点を移して開業した。彼女の作るアジアンテイストのハワイ料理が人気を呼び、行列の絶えないレストランとして知られている。
ハワイアン航空のエグゼクティブシェフでもあるという同氏の作るメニューは、ハワイ料理の定番ロコモコにキムチの天ぷらなどをアレンジした「ココモコ」(1700円)、ガーリックライスを使った「KHCビビンパ」(1400円)、和風だしのベシャメルソースに削り節をかけた卵料理「おはようエッグ」(1700円)などユニークなもの。
ディナーでは、ソースに焦がしパイナップルを使ったという「ポークカツ」(2300円)といった料理も取り揃え、店内にあるバーカウンターでカクテルも提供する。
デザートには、アイスクリームと焼いたベーコンをのせた看板メニュー「コーンフレークフレンチトースト」(1500円)、ラスクにヨーグルトとフルーツをのせた「フルーツブルスケッタ」(1500円)、ハニーバターを添えた「バナナブレッド」(600円)など。最新のハワイグルメを伝える店だ。
(価格はすべて税抜き)
★けんじの評価:新丸ビル15周年で新たに出店
同店が出店する「丸の内ハウス」とは、新丸ビルの商業ゾーン最上階である7階の飲食フロアのこと。同ビルは開業から15周年を迎え、「丸の内ハウス」もリニューアルしたばかり。開業時は9店舗だったテナントも11店舗となった。
同フロアの飲食店の多くはそれほど規模が大きくない。その代わり、フロア内を回遊する通路の一部や、建物の外側に設置された広大なテラスにも客席がある。特に、隣の丸ビル側と東京駅側、そして皇居方面の3方向に向けて配置されたコの字型のテラス席は各飲食店の共用客席となっていて、広いテラスの好きな席を利用してテイクアウトしたメニューを楽しめる。筆者も臨店時にこのテラス席を利用したが、店内に比べてテラス席の方はかなり空いていた。フードコートのように自分で料理のトレイを持ち歩かなければならないとはいえ、丸の内としては意外な穴場なのかもしれない。
フードバンクはこれまで、かなり単価の高い飲食ブランドを中心に展開してきた。現在、カジュアルな価格帯で、かつ和食ではない業態は他にはないようだ。同じ外食企業が価格帯の異なるブランドを展開するにはそれなりにノウハウが必要になる。食材や資材などはもとより、利用客の来店動機が違うからだ。
そういえば、ハワイの人気飲食ブランドを日本に誘致するというスタイルは、いつ頃から定着したのだろう。記憶にあるのはパンケーキの大ヒットだが、それ以前にはどんな事例があっただろうか。テラス席で、ふとそんなことを考えたりした。
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
●店舗情報
「Koko Head cafe」(ココヘッドカフェ)
開業=2023年4月17日/所在地=東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル7階「丸の内ハウス」
●編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/