漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(161)処暑 ピーマンと二百十日

2023.08.01 337号 08面
ピーマンとじゃがいものきんぴら

ピーマンとじゃがいものきんぴら

ピーマン

ピーマン

 ●24節気 処暑(8月23日~9月7日頃)

 処暑は暑さが和らぐ時期。そして台風がやって来る頃とされます。嵐が来ることで農業の厄日ともされている雑節の二百十日もちょうどこの時期です。

 台風の通り道は太平洋高気圧の西側のヘリに沿っています。高気圧が巨大な円を描く盛夏には、赤道近くの南洋上で生まれた台風は大きく西側を回り込んで大陸方向へ進みます。

 ところが夏も終わりに近づくと高気圧が小さくなって台風の進路は東に寄り、日本にやって来ることが多くなります。これがこの時期、私たちが台風に悩まされる理由ですが、それもまた、自然と四季のことわりですね。

 少しずつ感じられる秋の気配と、まだまだ続く残暑。台風をくぐり抜けて私たちの食卓に届けられたピーマンの美しい緑色で、残りの夏を存分に味わい、たくさん力をもらいましょう。

 ●ごうんろっきで気象うらない

 五運六気・2023年(癸卯年)

 四運の客運が水太過となるため、夏にしては少し涼しさを感じられるかもしれません。

   *

 五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。

 ◆ピーマンとじゃがいものきんぴら

 旬の野菜で食欲アップ

 エネルギー127kcal たんぱく質4.1g 塩分0.9g(1人分)

 〈材料・2人分〉

 ・ピーマン……2個

 ・じゃがいも……小1個

 ・ちくわ……小2本

 ・ごま油……小さじ1

 A・水……大さじ1

 A・みりん……大さじ1

 A・しょうゆ……小さじ1

 ・いりごま(白)……少々

 〈作り方〉

 (1)ピーマンは種を取り除き、せん切りにする。じゃがいもは5mmの棒状に切り、水でさっと洗い水気を取る。ちくわは棒状に切る。

 (2)鍋にごま油を温め、じゃがいもを炒める。火が通ってきたらピーマンとちくわを加えて3分ほど炒め、Aを加える。

 (3)水分がなくなるまで炒め、仕上げにごまをかける。

 ●ピーマン Green pepper

 【栄養学】ベータカロテンやビタミンCが多い緑黄色野菜です。ビタミンPも含まれ加熱でのビタミンCの損失をおさえられます。

 【薬膳学】暑さが収まり秋の気配を感じる頃です。ピーマンには食欲不振や消化不良を改善する働きがあります。

 東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師奈良理香子(レシピも)

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