多忙でも読める外食ニュース
●レインズが新業態 ネオ酒場「酒場トリノ」
コロワイドグループのレインズインターナショナルが、焼き鳥居酒屋の新業態「酒場トリノ」を東京・渋谷に出店した。同店は、税抜きでアルコールドリンクが190円から、フードが290円からという低価格を打ち出し、客単価2200円を想定した大衆向けの「ネオ酒場」。看板メニューの「炭火かご焼き」は、金属製のかごに入れた鶏肉に鶏油をかけながら炭火で焼き上げる。間仕切りがない客席や調理が見えるオープンキッチンなど、ライブ感を売り物とする。
解説=「20代の若者が楽しめる」とアピールする同店だが、客単価は前世紀の金額に戻ったかのようだ。かつて牛角を生み出した同社が、その時代をとらえるマーケティングのセンスで、果たして大衆向け居酒屋の再生ができるのか。
●キーCがイタトマを事業再生会社に売却
キーコーヒーが、連結子会社であるイタリアントマトの全株式を日本共創プラットフォーム(JPiX)に売却。JPiXは経営共創基盤(IGPI)の傘下にある投資・事業会社で、投資ファンドとは異なり経営支援により長期的に企業価値の向上を図る。キーコーヒーは前株主であったバンダイナムコホールディングスからも株式を譲り受け、合わせて売却した。イタリアントマトは昨年11月時点で国内外に直営・FCを合わせ140店舗以上を展開するが、ここ数年は営業赤字が続いていた。
解説=近年、外食業界でもこうした事業再生を伴う投資会社の参入が活発になってきた。イタリアントマトの創業は1987年で、そのブランド価値は決して低くない。キーコーヒーは引き続き同社との取引関係は継続するという。
●OICグループが「まぜそば」新業態
食品スーパー「ロピア」などを擁するOICグループのイートピアホールディングスは、子会社を通じて東京・赤坂に新業態「まぜそば ごち麺」を出店した。デュラム小麦から作られた麺に野菜や肉を一緒に盛り合わせ、全体を混ぜながら食べるという独自のメニューを提案する。単品の「まぜそば」は1000円前後で6アイテム。さまざまなトッピングなども用意し、ライスやスープとのセットにすることも可能。ソフトドリンクのほか、生ビールなどのアルコール類も提供する。
解説=OICグループの中核を成す食品スーパーの「ロピア」は、精肉部門の強さが売り物。イートピアホールディングスもこれまで主に肉料理を中心とした飲食店を展開してきたが、今回の業態は多店舗化を意識したブランドのようだ。
●銀だこ子会社が出店 釜めしとそばの新業態
ホットランドの子会社で、定食店の「野郎めし」などを展開しているホットランドネクステージが、栃木県鹿沼市に新業態の「釜めしと蕎麦 かまど」を出店。同店は、注文を受けてから炊き上げる釜めしと、国産のそば粉を使用した手打ちそばをメインとした新ブランド。6アイテムある釜めしをはじめ、天ぷらやおでん、軽いつまみ料理なども取り揃え、酒類メニューも充実させて居酒屋的な利用も可能な業態となっている。店舗は既存の「野郎めし」から業態転換した郊外型の独立店舗。
解説=2021年の11月に1号店を出店した「野郎めし」は、すでに16店舗。ホットランドの多ブランド化は徐々に進行しつつある。ホットランドネクステージは主食事業を担当する子会社だが、今回の新ブランドはやや飲酒系か。
●23年、帝国DB調査 飲食店の倒産は増加
帝国データバンクが、2023年の「飲食店」倒産動向調査を発表した。同年1月から12月の飲食店(法人または個人)の倒産(負債額1000万円以上)は768件発生し、コロナ禍の影響がひどかった20年に次いで過去2番目に多く、過去10年で最も少なかった前年から約7割増えている。中でも、「居酒屋」と「カフェ」の倒産は過去最多。同社では、減少した客数が回復しないこと、人手不足と原材料費の高騰により店舗の運営が困難になったことなどを理由に挙げている。
解説=同調査の内訳としては、飲酒系業種である「居酒屋」と「バー・キャバレー」の合計が262件、また、創業後30年以上の業歴を持つ飲食店の倒産が254件と、いずれも全体のおよそ3分の1となっていることが興味深い。
●W、ファーストK 愛知県に初出店
ウェンディーズ・ジャパンとファーストキッチンが共同で展開する「ウェンディーズ・ファーストキッチン」が愛知県に初出店。同店は名古屋市の鳴海なるぱーく店で、これまで「ファーストキッチン」として営業してきた店舗。
●豊洲市場隣接SCに「千客万来」開業
東京・豊洲市場に隣接した複合商業施設「豊洲 千客万来」が開業。飲食店では、豊洲ならではの魚介類を中心とした和食系店舗のほか、ラーメン、バーガー、焼肉、カフェ、スイーツ、バーなど、多彩なテナントが出店している。
●マクドナルドが再度の価格改定
日本マクドナルドは、1月に一部商品の値上げを実施した。同社は近年、何度も価格の見直しを行っており、昨年も1月に約8割の商品を価格改定、7月には都心型価格の適用店を再編した。ここ1年ほどの間に3回の見直しを行ったことになる。
●串カツ田中HD最大18%賃上げ
串カツ田中ホールディングスは、1月から同社グループで対象となる正社員約400人の給与を平均5%、最大で18%(特別手当を含む)引き上げると発表。同社は過去2年にわたって賃上げを実施しているが、今回は過去最高のものになるという。
●ゴンチャジャパンが無人レジ店舗出店
ゴンチャ ジャパンが、昨年7月から導入を開始したセルフオーダー「KIOSK」に特化した店舗を出店した。同店は東京・目黒区の「自由が丘店」で、これまで1店舗1台だった「KIOSK」機器が2台設置され、セルフオーダーのみとなる。
●はま寿司、カッパに民事訴訟起こす
ゼンショーホールディングス傘下のはま寿司が、カッパ・クリエイトの前社長とカッパ・クリエイト、コロワイドMDに対して、営業秘密の不正使用に関する民事訴訟を起こした。情報の一部が、親会社であるコロワイドMDにも開示されたと主張。
●JR東日本がeスポーツカフェ
JR東日本クロスステーションフーズカンパニーなどJR東日本グループ3社が共同出資し、JR池袋駅東口に「eスポーツカフェ」をオープンする。3社が事業組合を設立し、テレビ朝日などが運営するeスポーツイベントのコンテンツと提携。
●三光マーケティング貿易会社を設立
SANKO MARKETING FOODS(三光マーケティングフーズ)は、貿易業務を行うガリュウトレーディングと貿易事業を目的とした合弁会社を設立した。円安を背景に、同社が扱う日本の水産物などを海外に輸出する事業を進める計画。
●「信濃屋」の新業態ワインレストラン併設
信濃屋食品が運営する食品スーパー「信濃屋」が、東京・港区の商業施設「虎ノ門ヒルズ」地下に新業態「cask(カスク)」を出店。店内には約50席のワインレストランを併設するなど、酒販店も展開する同社ならでは。飲食店の運営はエーディーエモーション。
●ロイホ、26年ぶり京都高島屋に出店
ロイヤルフードサービスは、京都高島屋S.C.にあった「ロイヤルキッチン高島屋京都店」を「ロイヤルホスト京都高島屋S.C.店」に業態転換した。同店はやや小型でメニューも縮小。京都府内で「ロイヤルホスト」が出店するのは約26年ぶりで、6店舗目となる。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略