中野食品、冷凍白玉もちを開発
【新潟】伝統食品の白玉もちを新しい感覚で食べてもらおうと、中野食品工業㈱(新潟市桃山町、025・273・5618)はこのほど、冷凍タイプの白玉もちを開発した。商品名は「冷凍白玉もち・雪合戦」。冷凍タイプの白玉もちは全国でも初めてだが、あんこやジャムを白玉もちに包み、“新しい白玉もち”を提案しているのが最大の特徴。同社では本格発売を前に消費者の反応を探っているが、人気は上々。販売店も冷凍食品の新しい商品ジャンルとして早くも関心を寄せている。
「雪合戦」は厳選されたもち米と独自の技術により製造される。越後の水稲もち米一〇〇%を原料に、手作りの食感と風味を可能にした。種類はあんこ入り、青リンゴジャム入り、従来タイプの三種類。熱湯二分で解凍しサッと冷水につければ、コシのあるつるりとした食感が楽しめる。調理例は冷やして白玉あんみつ、白玉ぜんざいなどに、熱いしるこや寄せ鍋などに入れてもおいしく、そのメニューは予想以上に多い。ジャム入り「雪合戦」などは、和洋折衷の新しいお菓子としても期待される。あんこ入り「雪合戦」はそのまま食べても十分満足できる。
同社は今回の製品を発売するに当たって、新たに製造技術を開発している。これは手作り工程を忠実にライン化したもので、白玉粉を練り、丸め、ゆで上げ、冷水にさらすという工程が見事に機械化されている(製法特許出願中)。さらに本来の風味、食感を流通段階で壊すことなく家庭に届けるまで“冷凍食品”としている点が特徴。昨年秋に包あん機、フリーザーを工場に搬入し、ようやく年明けにラインの本格稼働までこぎつけた。当面、日産三万食生産を目指す。
これまで「白玉もちはおいしいが、家庭で作るには手間がかかる」と敬遠気味だったといわれる。しかし、冷凍食品として手軽に扱えれば、その評価は一変するかもしれない。流通サイドにとっては多様化しつつある冷凍食品の新商材として魅力的であり、消費者にとっても白玉もちを見直す良い機会となりそうだ。
「冷凍白玉もち・雪合戦」の内容量は各二五〇㌘。荷姿は一〇袋入り×二合。小売価格(一袋)は従来タイプ三二〇円、あんこ入り三五〇円、青リンゴジャム入り三五〇円。発売日は2月中旬。発売地区は関東甲信越地区を皮切りに順次拡大の予定。
中野食品工業は包装白玉もちのパイオニアとして知られる。この間に蓄積された製造のノウハウが今回の製品には生かされている。さらに、ジャム入り白玉もちなど、これまで考えられなかった白玉もちを提案している点が注目される。当面、春の彼岸需要が新商品の価値を占うポイントとなりそうだ。