八鹿酒造、本格焼酎第3弾「なしか」北海道除く全国発売を発表

酒類 1995.05.31 7875号 3面

八鹿酒造(株)(大分県玖珠郡、09737・6・2888)は5月26日、同社本格焼酎の第三弾「なしか」を全国発売(九州既発売、北海道除く)すると発表した。同製品は、大手酒類卸の(株)小網のチャネルのみを通じての販売。今年の目標は五〇〇〇石。

「なしか」は、“大分発 第三の麦”をキャッチフレーズに、今までにない考え方から生まれた製品。同社は昨年、創業一三〇年を迎えたが、それを一つの区切りとし、新しいコンセプト、今までにない製法で新製品を作り上げた。同社は清酒「八鹿」を基盤に、本格焼酎「かの子」「むぎっ娘」、そしてリキュール類などの製品を発売しているが、「なしか」は、焼酎製品としては三番目の製品。

キャッチフレーズの“大分発 第三の麦”には、いろいろな意味が込められている。大分麦焼酎は「いいちこ」「二階堂」の二大ブランドがあるが、「なしか」はそれに続く第三のブランドとして、味の面では“オール麹仕込みブレンディング”によって本格でもない、減圧蒸留・イオン交換方式によるソフトでもない、全く新しい酒質の酒として、また同社の三番目の焼酎として‐‐などの意味が込められた。

「なしか」とは大分の方言で“何故か、どうして”という意味。昭和30年代の戦後日本の風景を背景として、なつかしかった時代、忘れてしまった素朴な心を素直に取り戻し、現代の大人の世界を子供の素直な疑問で問いかける「なしか」という言葉に託し、消費者に強く訴えかけていくことを狙っている。

発売に当たってはチラシ・ポスターなどの他、「なしか」の本、パッチン(メンコ)を同封し、なつかしい時代を呼びさます販促物を提供。また「なしか友の会」を結成させ、自分達の「なしか」を集めて会報を発行する。大分県では3月に発売したが大好評で、「なしか友の会」についても6月5日に初会合を開く。

同社の麻生益直副社長は「現在は買って下さい、売って下さいではすまない時代。製品にマインドを込めて、それをわかってもらうことが大事」であると開発の経緯を説明。井上義彦営業本部長も「消費者中心の物の考え方で開発した。大分発であることを意識、話題性を提供していきたい」として、業務用・家庭用とも幅広く販売していくとしている。

同製品の首都圏における価格(アルコール分二五度)は一・八リットルびん一三四〇円、九〇〇ミリリットルびん七三〇円、一・八リットル紙パック一三二〇円、九〇〇ミリリットル同七二〇円(二〇〇ミリリットルPETは9月発売予定)。

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