明治サンテオレ、差別化商品発売 日本農業との共生を

スープ 外食 1995.09.29 7933号 3面

明治サンテオレ(株)は10月1日から新商品としてハンバーガー類二種、コーンポタージュ、サラダ二種を新発売する。ハンバーガー業界は最大手チェーンの低価格戦略で各社対応に迫られているが、同社は品質の差別化戦略を選択、国産の有機栽培キャベツとレタス、鹿児島産薩摩豚を新メニューに導入した。今後、商品とともに「日本農業との共生」をキーワードに企業アイデンティティーを強く打ち出していく。

黒川孝雄社長は今回の新製品投入について「消費者が買いたい商品しか買わなくなった今の時代は、いずれの企業もアイデンティティーが強く求められている。わが社も創業時の原点“乳肉一体経営”に戻って二一世紀を展望したところ“日本農業との共生”ということにたどりついた。これまでハンバーガービジネスを展開するに当たり、農業衰退による日本の生態系の変化、環境問題などとの葛藤があった。国内産の産地指定食材や有機野菜などは安定品質、安定供給に課題が残るが、今回は良きパートナーに恵まれて商品化に踏み切ることができた。今回の新商品を弾みに今後、さまざまな国内食材使用の商品開発を第二、第三弾と打ち出していく」。

今回新発売するのは▽ヒレカツバーガー二九〇円(写真)=鹿児島産薩摩豚を使用、とんかつ専門店の味が楽しめる▽ダブルテリヤキバーガー二九〇円=四五gパティを二枚重ねた和風感覚のボリュームあるバーガー▽十勝コーンポタージュスープ二〇〇円=北海道の十勝産トウモロコシを使ったストレートタイプのスープ▽グリーンサラダ、海草サラダ各二〇〇円=健康志向をキーワードにハンバーガーと一緒に薦めたい一品。

同社では昨年7月に発売したハンバーガー「十勝とろけるチーズ」が好評でチーズバーガーの二倍の売上げを記録、現在も前年比三〇%の伸び。この事例もあって消費者の厳選した国内産食材使用商品ニーズに応えることにした。しかし、産地限定の国内産原料は大量使用に安定供給が難しいということと、安定供給となると食材が限定されてしまうという課題がある。

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