社員食堂で食育「野菜をたっぷり食べよう ファイブ・ア・デイ キャンペーン」
伊藤忠商事と住友商事は、昨年11月14日~12月16日の5週間、社員食堂で「野菜・果物たっぷり食べよう」キャンペーンを展開した。プログラムを企画し、また自らモニターとして参加した伊藤忠商事の西影昌純さん、住友商事の西井暁彦さんに話を聞いた。
◆モニターが5週間挑戦したプログラムはこの3つ!
(1)朝・昼・晩あわせて5皿分の野菜と果物を食べる(昼ごはんはなるべく社員食堂で、推奨メニューを食べる)
(2)たばこは控え、適度な運動をする
(3)食事日記をつける
‐‐期間中、社員食堂にはどんなメニューが登場したのですか?
1食で3皿分(210g)以上の野菜がとれるセットメニューです。もともと両社食堂のメニューは健康を気遣い、野菜小鉢も豊富にあるんですが、食べ手がどう選ぶかが鍵。そこで、野菜がたっぷりとれる食べ方・選び方の例を日替わりで示していただいたんです。また各社30人の男性社員に協力いただき、朝・昼・晩3食とも野菜中心の食生活を5週間続けてもらって、実施前後の体調の変化など効果を調べました。
‐‐何を測定したのですか?
体重、身長、BMI、ウエストサイズ、血液検査ではコレステロール(HDL・LDL・総)、中性脂肪、尿酸値、それと話題の血液サラサラ測定もしました。多くの人がそれぞれ体質改善・意識改善を実感しています。ちなみに私(=西影さん)はプログラム後の血液検査結果はすべてA判定。気になっていた肝臓のγ‐GTP値も220から25に激減しました!
‐‐それはすごい! でも食生活を変えるのって、ストレスになったのでは?
始めの頃はもの足りなく感じましたが、だんだん慣れましたね。禁酒・禁肉ではなく、肉・肉を野菜+肉、酒・酒を野菜+酒にしろということだから、それほどストレスもありませんでした。ただ、外出先で昼ご飯をとるときや休日は気を遣いました。家族の理解と協力にも感謝しています。食事日記をつけるのもちょっと面倒でしたが、食や健康について再考する良い機会になりました。
‐‐今後もキープできそうですか?
野菜・果物をたっぷり食べることと適度な運動は、これからもできる限り続けますよ。体調管理は最大の自己責任。気軽に楽しくが一番のクスリだと思います。「ファイブ・ア・デイ」って知ると案外やれるもので、健康改善ゲームのよう。おいしく楽しく野菜や果物をたくさん食べることを心掛けていたら、いつの間にか心身ともに良い状態がキープできます。皆さんにもぜひオススメです。
‐‐ありがとうございました。
(取材協力=伊藤忠商事(株)・住友商事(株)・エスシーロイヤル(株)・コンパスグループジャパン(株))
◆モニターの感想
・5皿というイメージが強く、結果的に食べ過ぎた気がする。野菜を増やす分、ほかの物を減らす必要を感じた
・「5皿」のハードルは結構キツイ。鍋、おひたしなど昔ながらの和食が、野菜をしっかり摂取するのに一番効率よくかつ胃に優しい(精神・肉体的に負担が少ない)と実感した
・仕事をする上でも、食生活管理は重要だと思った
・素晴らしい企画に感謝。食習慣が変わった
・野菜の摂取について考え直す良い機会だった。わが家の食事はもともと野菜をバランス良くとれており、そのありがたみを実感した
・必要な摂取量が実感でき、今後の食生活に大いに役立つ
・社食の「野菜の目安皿数」は継続表記いただきたい(少しでも気にするので)
・目安としての「5皿以上」は単純で分かりやすい
・果物をとることが意外と難しい(コンビニにもあまり売っていない)
・営業という職種上、毎日社食を食べるのは無理、かつ忘年会シーズンで厳しい面もあったが、野菜をとる意識は定着した
◆「ファイブ・ア・デイ」って?
「1日5皿分(350g)以上の野菜と200g以上の果物を食べよう」ということをスローガンにした健康増進運動。1991年にアメリカで生まれ、アメリカ人の野菜嫌いと不健康を解消し大成功を収めたキャンペーンだ。いまやアメリカより野菜不足が深刻な状態の日本では2002年にファイブ・ア・デイ協会が発足。野菜・果物をたっぷり、おいしく楽しく食べることを広めるため、スーパーマーケット店頭での食育教室などさまざまな活動を行っている。
http://www.5aday.net/
◆野菜1皿分ってどれくらい?
野菜 1皿約70gが1単位。小鉢や小さなお皿は「1皿分」、大きなお皿は「2皿分」、これを目安にチェック!
果物 大きい果物1個、小さい果物2個と覚えればカンタン!
野菜のおひたしなら小鉢盛りで1皿分
ミニサラダなら小皿盛りで1皿分
野菜炒めなら大皿で2皿分
リンゴなら1個
ミカンなら2個