「百祭元気」 酉の市

1995.11.10 2号 6面

今回は「歳」を「祭」に変えて元気印を紹介。

十一月酉の日(今年は二日、十四日、二六日)、台東区の鷲神社から「お手を拝借!ヨオーッ」と威勢のよい声が聞こえる。

酉の市は「おとりさま」の愛称で親しまれている。もとは農民が秋の収穫を祝い感謝のしるしに鶏を奉納した「とりまつり」から始まったと言われる。神社から農家の実用品として受けた熊手は「かっこむ、とりこむ」などの縁起と結びつき商売繁盛を願う祭となった。現在の熊手御守は宝船、七福神、小判など華やかなお飾りをたくさんつけ、幸運を呼び込もうと願う。

これは丸一年かけて丹念に手作り。酉の市が売り場でもあり披露の場でもある。一〇年間同じ店からしか買い求めない常連客もできる。

鷲神社では約二〇〇店の熊手業者が並び、人出は四〇万人と賑わう。三の酉まである年は火事が多いと言われるが、今年はその年。火のもとには重々ご注意を。

「ヨォーオ」で始まるかけ声が「おめでとうございます」で締められる。イキのよいかけ声に一年間の商売の活力をもらうがごとく祭には「元気」があふれている。

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