身近な行政ニュース 「マーク表示 許可を」 健康・栄養食品の規制緩和を

1995.12.10 3号 12面

日本健康・栄養食品協会は11月15日、厚生省生活衛生局食品保健課・椋野美智子新開発食品保健対策室長あてに、厚生省の特定保健用食品(特保)に関する業界の要望を集約した六項目にわたる「規制緩和に関する要望書」を提出した。

骨子は(1)特定保健用食品を明示する固有マークの設定(2)表示許可審査の簡素化(3)表示許可期間の延長(4)表示許可申請の簡易化(5)表示の規制緩和(6)その他近将来の課題として食品の形の制約の緩和‐‐となっている。

内容と理由は次の通り。

(1)特定保健用食品を明示する固有マークの設定について現在、特殊栄養食品分類で強化食品、特別用途食品(病者用食品、高齢者用食品、妊婦用食品、乳児用粉乳等)に特定保健用食品を含めた形で“いわゆる人形マーク”が設定されているが、栄養改善法の改正にともない強化食品がなくなり、特別用途食品だけになるため、健常者向けとしての特定保健用食品の位置づけをより明示する必要がある。従来の機能性食品というネーミングと対比し、特定保健用食品というネーミングは消費者になじみにくく、許可商品も市場に浸透させるのに苦労していること、食品として社会的にポジショニングを得るには、この際はっきりと市場で差別化できることが必要で、このためにもマークの設定が望ましい。また従来の人形マークは一般消費者に好感度が低く、業界は特定保健用食品の固有マークを切望している、となっている。

2の表示許可審査の簡素化はスピードアップと後発品・シリーズ品の審査の簡素化、審査回数を増やすこととする。理由として、(1)現行年二回の審査では審査回数が少なく新商品の数が増えにくく、シーズンごとに発売企画をする食品の発売のタイミングに合いにくい。後発品・シリーズ品や味、香りを微量変えたものも全く新規品として審査されているためとしている。(医薬品や診断薬のごとく審査を簡素化へ)。

3の表示許可期間の延長については特殊栄養食品すべてを包含した要望事項とした上、内容は現行二年を少なくとも四年以上に、なっている。理由として表示許可制度でもあるため、許可取得確認後包装仕様等も具体化せざるを得ず(また、食品がシーズン食品であることからも)許可、即発売に至らず、発売直後または発売準備段階で許可の更新期限を迎える傾向があり、許可期間が短すぎる。また膨大な開発、申請ワークに対比して許可期間が短すぎる、としている。

4、表示許可申請の簡易化については内容を(1)後発品・シリーズ品・新タイプ品・類型的等についての申請資料を簡素化(医薬品・診断薬にならって)(2)ヒト試験の軽減(a)外国人データも認容へ(b)科学的根拠のあるものはヒト試験代替法の許容(c)後発品・シリーズ品等でのヒト試験の軽減等)とし、理由として(1)現在、制度発足後四年を経過しても許可食品がわずか58品目しか出ていない。この原因は開発申請にかかる負荷が大き過ぎ、一方許可を得て商品化しても表示幅が狭く市場で商品の差別化がしにくく、採算化に至らないことも一因している。(2)表示許可内容が狭い。申請努力や審査の厳正さとを対比して、極めてアンバランスである。(3)後発品・シリーズ品・新タイプ品・類型品の品揃えを企画しても、別ブランドは新規商品としての申請扱いとなるため、申請・審査の壁に阻まれなかなか商品群の構成、上市がしにくい。(4)ヒト試験の負担が極めて大きく、これが開発ネックになっている、としている。

5、表示の規制緩和について、内容は(1)健康表示幅の拡大(2)用語、文書の使用幅の拡張とし理由として(1)現在、極めてマイルドな保健効果の表示が許されているが、特定保健用食品の認知度も上がっておらず、とくに消費者に十分な健康表示内容が伝わっていない。(2)“いわゆる健康食品”の方が大胆な表示売り込みをしている場合もあり(表示許可の取得により、かえって表示制限をうける)、現況の程度の健康表示では市場で商品の差別化にはつながっていない。従って特定保健用食品の開発意欲が出にくい。(3)特定保健用食品の認知度が極めて低い。社会的、学術的ポジショニングが定まらない一因として、健康表示内容が不十分で消費者等に解りにくい点が挙げられる、としている。

6のその他近将来の課題として、食品の形の制約の緩和について、内容は(1)現行“明らか食品”のみの表示許可制度であるが、ハーモナイゼーションの上からも、形状制限の緩和が望まれるとし、理由として(1)消費者にとって、特定保健用食品の活用幅を拡大するために(2)開発メーカーにとって、特定保健用食品の開発がしやすくするために。(3)市場に出ている、“いわゆる健康食品”の健康表示の混乱も整理が出来るように。(4)ハーモナイゼーションの方向に整合するためにとなっている。