中身で分かる食生活とお国柄-世界冷蔵庫事情
冷蔵庫の中を見ればその人の食生活はよくわかる。その違いをお国柄で見てみよう。昨年「世界の冷蔵庫写真展」を開催したTOTOの銀座にあるレシピ館を訪ねてみた。(写真提供:TOTO食の情報館RECIPE)
「写真展はイタリア、アメリカのニューヨークとロサンゼルス、カナダのバンクーバーの冷蔵庫を地元に住むカメラマンに撮ってもらい国ごとに期間を違えて展示しました。冷蔵庫は、カメラマン自身がひとりひとり取材をして撮影したものです。集まってきた作品を見ると国ごとに違いがあり面白い写真が上がってきました。
イタリアはまず冷蔵庫が小さいんです。新鮮な食材が簡単に買えるためだと思いますが、中に入っているのも少しだけ。それもラップなどせず、食材をそのまま入れているものが多かったですね。冷凍食品も見あたらなかった。少し田舎に入ったシチリアの方だったと思いますが、氷で冷やす昔のタイプの冷蔵庫なんてのもありました。
バンクーバーでは冷蔵庫にペインティングをしているのがありました。古い型の物を家具の一つとして楽しんでいるようです。日本のように調味料類があまり入っていないんです。ラップで包んだ食べ残しもあまりありません。
ニューヨークでは食材以外のものが入っている冷蔵庫がいくつかありましたよ。化粧品や香水、カメラマンの家の冷蔵庫かもしれないけれどフィルムがたくさん入っていたり。ビタミン剤などのサプリメントも多かったですね。面白いのは扉を開けたら人形が座っているんです。冷蔵庫の青白い光がその人形を一番美しく見せるから、らしいです。
冷蔵庫をみていると、この家はベジタリアンかな、とかドリンクだけしか入ってないと一人暮らしなのかな、なんて遠い国のことながら想像が膨らみ楽しいですよね。来場者は家の冷蔵庫と比較して見たり、身近な話題なだけに大変好評でした」(TOTO食の情報館RECIPE広報)
イタリアやロス、バンクーバー、ニューヨークの冷蔵庫には、日本であれほどまでに使用されているラップをみることができない。そこでサランラップ販売(株)に聞いてみたところそれは食文化の違いにあるのではないか、というお答え。そもそも食べ残しを冷蔵庫で保存する習慣があるのは日本だけのようだ。ラップの使用量はアメリカは日本の六分の一。その代わり、最近日本でも使用量が増加しつつある口を閉じることができる袋「ジップロック」は日本の一○倍をいき、主流のようだ。ちなみにヨーロッパでのデータはなかった。