だから素敵! あの人のヘルシートーク:TBSアナウンサー・斎藤哲也さん

1999.02.10 41号 4面

TBS系ウイークデー朝8時半からの生活情報番組「はなまるマーケット」といえば、食材や健康に気を使っている人たちならば、毎日チェックしている番組のはず。斎藤哲也アナウンサーはこの中で、にぎやかなタレントさんたちの会話が魅力たっぷりに弾むよう気を配ったり、クイズ「ママダス」では大きな身体を宙に舞い上げて華麗なるジャンプを披露したりと、大忙しだ。独身男性ながら生活雑学にも大変詳しい様子で、それらの知識はプライベートにどのように生かされているのか。早朝出勤のハードスケジュールを支える健康法と合わせ、話を聞いた。

食べること、好きなんですよ。お酒を飲めないこともあって、好きなものを思い切り食べるのって何より好きですね。でも、「はなまるマーケット」を始める前は結構好き嫌いが多かったんです。それが食材の効果効能の情報をたくさん得たことで変わってきました。食べたい物のし好が広がったというか、「あんまりね」と思っていたもの、例えばシソなんて昔は嫌いでしたけれども、「そんなに身体にいいなら食べようかな」と。無茶な食べ方もしなくなった。三色のものをバランス良く食べなくては。緑、黄色、赤、うーん、何か足りないものはないかとか食べる前に考えたり。もちろん納豆など、いまでもどうしても苦手なものはありますけれどね。

ゴマの中のゴマリグナンが活性酸素対策にいいとか、ブルーベリーが目にいいとか、確かに同世代の男性の中では詳しい方かもしれません。最近で一番「へえーっ」と思ったのは、話題のポリフェノールが皮を剥いた後の白っぽいリンゴにもあるという話。ワインの赤い色のイメージがあったので意外でした。仲間と食事に行ってたまに語ってしまうこともあります。「ああ、そこはDHAがあるから食べた方がいいよ」とか、「味噌汁はジャガイモとワカメの具のヤツがいい。カリウムが多くて味噌の塩分を出してくれるから」とか、「野菜はサラダより温野菜の方がカサをたくさん食べられる。ドレッシングはドッとかけるんじゃなくて、つけ麺みたいにつけて食べた方がいい」とか。「もう、うるさいよ。好きに食べさせてよ」と応酬されてます(笑)。

朝は忙しいですね。起床は3時、5時に出社して6時過ぎから準備。6時半から打ち合わせで7時半カメラリハーサル、8時半から本番というスケジュールです。寝るのは11時だから睡眠は四時間くらいですが、それはあまり苦にはなりません。不規則な生活が規則正しく並んでいればそれはそれで何とかなるようです。その分、食べて元気になる!というのが、僕流です。

体調がちょっと、という時の特効薬ですか。種類は問わず、野菜ジュースを買って飲みます。あるいは野菜スティックをバリバリ食べる。あと、逆に無性に食べたいものを我慢しないこと。「これ食べると太っちゃうな」といつもは敬遠しがちなものでも、食べてしまう。例えば「エビフライが食べたいっ!」って思えばストレスをためないためにきょうは食べる。これが僕にはいいみたいです。

ダイエット王、またはバスケットの選手でもないのにリバウンド王といわれます(笑)。いまはまた、冬眠前の動物のぬいぐるみ体型ですが。でも一度夏休みを無駄にだらだら過ごしたくないと目標を立てて一週間で体重を七キロ、体脂肪率を四%落としたことがあるんですよ。昔スポーツをやっていたので、手法は分かっている部分があって。いまの自分にも耐えられる、かつ最もヘビーな内容のプログラムをちゃんとスポーツトレーナーに作ってもらいました。朝から晩までスポーツ一色。まず6時に起きてアップダウンのあるところを五㌔早歩きで歩く。その後カロリーを抑えた朝ご飯をキチンと食べて、それから今度はプールの中を歩く。午後はマシンを使ったトレーニング、きょうは瞬発力を中心とした内容、明日は持久力をつけるもの、とか。カロリーは一日1200キロカロリーに抑えるのだけれど、タンパク質に野菜をバランス良く組み合わせて。だから、フラフラした感じには全くなりませんでした。成果は最初どんと落ちて、ちょっと横ばい、最後にまたどどんと落ちるというもの。その後、随分キープしていたのですが、普通の生活の中でまた徐々に戻ってしまいましたね。

体型もまあ気になりますが、それ以上に毎朝番組を続ける体力を維持する方に日常は力を置いています。僕の場合、元気だけが取り柄ですから。食事制限でストレスを背負い込みたくないという気持ちはありますね。根が食いしん坊ですから。いまはバランスのいい食生活を心掛けた食いしん坊です。

「はなまるマーケット」の番組の雰囲気は本当に、画面に映っているまんまなんですよ。メーンキャスターのお二人、岡江久美子さんの明るさと薬丸裕英さんの気配りが絶妙のコンビネーションで、すごくいいファミリーっていう感じになっている現場です。僕の役割はそのアシスト役、テーマに対してメーンの皆さんの会話や持ち味が十分に生かされるよう、気を配っているつもりなのですが。

岡江さんと曜日ごとのレギュラーの方のコマーシャルの間の会話も「ねぇねぇ、どこそこスーパーで、これがいくらだったよ」なんて、本当にマーケットなんです。僕もいまはよくスーパーに行きます。チラシもいろいろ見るし。「あっ、この大根安いなー」なんて。報道の頃は新聞を政治面から気合いを入れてチェックしていたのが、いまはチラシです。「おおっ! 特売やっている!」とか。

現場があまりに楽しいので、夏休みで休んだりするともったいない気がしちゃって。旅行先で8時半にテレビをつけて番組のオープニングが流れてきたりすると「あぁ、いつもあそこにいるんだなー。早くあの輪の中に入りたいな」なんて考えているんです。

報道の頃はお茶の間に全く知名度のなかった僕なのに、「はなまる」のおかげで随分顔を覚えていただくことができたということもあります。道で突然あった人にも「ダメよ、納豆食べなくちゃっ!」ていわれるくらいに。ありがたいですね。

斎藤哲也さんのプロフィル

一九六四年茨城県出身。早稲田大学文学部卒業後、八九年、TBSに入社。数々の報道番組でレポーターなどを担当、九六年からスタートした生活情報番組「はなまるマーケット」(月~金 8時30分~10時20分)で人気アナウンサーに。趣味はルアーフィッシング 、TVゲーム、野球など。

1999年2月19日発売 「はなまるマーケット」内コーナー「今日の目玉」で放送された料理レシピ集。今回は特に肉と魚をテーマにした料理を特集し、また肉、魚それぞれの素材についての詳しい解説も掲載。246レシピすべてに塩分、カロリー表示付き。AB判、定価2500円(税別)

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