もっと知りたい!もっと食べたい!韓国産キムチ

2000.10.10 62号 7面

二〇〇二年ワールドカップサッカー大会共同開催を控えて、韓国と日本は活発な文化交流を繰り広げている。とくに韓国伝統の味・キムチの人気がうなぎ上り。最近、キムチの優秀性と機能性も科学的に立証され、世界的な健康食品として注目を浴びている。一九九九年の日本でのキムチ生産量(韓国キムチを含む)は二五万トン、単品ではたくあん漬け、浅漬けを抜き一位になった。

9月14日(木)には、韓国農林部主催、韓国農水産物流通公社・キムチ研究所共同主管で、『2000 日・韓キムチセミナー』が東京港区のホテル日航東京で催された。同セミナーでは健康発酵食品であるキムチの科学的な研究結果と産業の展望について、日・韓両国の専門家が講演を行った。会場には日本でのキムチ研究、生産、販売などにかかわる人々が集い、講演後、熱い質疑応答・意見交換が繰り広げられた。

韓国キムチの輸入を始めて一一年になるというマルキュウ販売(株)の藤崎正人代表取締役は、「韓国産キムチの問題点および改善方法」として次の三点を挙げた。

(1)味覚の相違 日本のほとんどの消費者は調味料を使用した食品に慣れているため、本場そのままのキムチを食する際に、うま味・甘味を感じず敬遠されるケースがある。

(2)酸度、酸味の解釈の相違 日本ではキムチは発酵食品というより漬物のジャンルでのみとらえている人がほとんど。しかも一夜漬けの感覚を持っているため、輸入数日後に酸度が少し上昇しただけで敏感に反応し、腐敗していると錯覚する人がいる。酵母菌などの結晶をカビと間違えてしまうケースが非常に多い。

(3)衛生と安全性の問題 最近の例で、韓国産キムチに虫の混入報道があり、その後、韓国産キムチの販売量に影響が出た。原料や調味材料に異物混入がないか、目視検査の徹底を図ることと、作業従事者に対する衛生・安全性の教育を定期的に行い、意識の高揚を促すことが大切だ。

それらの状況から、「日本の消費者へ、本場韓国産キムチは、発酵食品であることを強調し、日本で生産されるキムチとの違いをアピールすることがいま大変重要である」と語った。

釜山大学キムチ研究所の崔弘植氏は、キムチの抗動脈硬化について語った。

「最近多くの人が恐れている狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などは動脈硬化が生じて起きる病気です。

血清脂肪質中コレステロールは動脈硬化の第一危険因子ですが、白菜キムチの脂質代謝強化効果は動物実験を通して多数報告されています。また、中年男性のキムチ摂取程度に伴う血中脂質濃度を観察した疫学調査では、キムチ摂取量が多い人ほど食物繊維とカルシウム摂取量が高く、HDL(善玉)コレステロールとキムチ摂取量は、陽の相関関係を示しました。

さらに、コレステロールの過剰摂取によって起きる低密度脂タンパク質(LDL)の酸化を大きく抑制すること、動脈硬化の重大な原因の一つである血栓形成を抑制すること(フィブリン分解活性増進)も確かめられています。

また、キムチには脂肪質の過酸化防止、さらには活性酸素などの消去機能をもつ抗酸化物質が存在することを立証する研究結果も多くでてきています。

▽問い合わせ=韓国農水産物流通公社 東京農業貿易館、03・5367・6656

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