長寿の里探訪 山梨・棡原 「長寿館」の食材は語る
山梨県の東端、中央本線上野原駅の北方にある「棡原」(ゆずりはら)という地域、正しい住所でいうと山梨県北都留郡上野原町棡原の一帯もまた、長寿者を輩出する所として知られている。
最初にこの地を長寿地域として取り上げたのは医師として五〇年間以上、ここに通い続けているという甲府市在住の古守豊甫氏。そしてその事実に折り紙をつけたのが長寿学の大家、故・近藤正二博士(元東北大学教授)とされる。
地域の中心には、なぜこの地が長寿者を輩出するのかの理由を、おもに地の食材を中心に紹介している「ふるさと長寿館」がある。先月の25日、天皇・皇后両陛下が「陛下のたってのご希望で」この施設を訪れたことで、にわかに注目を集めているスポットだ。
どんなものが展示・販売されているか眺めてみたい。まず目につくのが、小麦粉、そば粉、麦こうせん、きび、あわ、もろこし粉、小豆、つぶし‐‐などの粉類だ。その他には“長寿”と銘打った味噌、たまご、そば、うどん、こんにゃく。たんぱく質源としては近隣の鶴川・桂川のあゆ、嗜好品の一種としては酒まんじゅうなどが目に付く。酒落たパッケージのゆずのマーマレード、ゆずワインなどもある。
次回は、なぜこれらの食材に長寿へと導く力があるのかと、「健康と長寿の道しるべ」(古守豊甫著)の中から考えていく。