日本健康・栄養食品協会、「イチョウ葉エキス」品質・安全向上へ自主規格制定

2003.02.10 90号 14面

アメリカで、痴呆症予防に最適のニュートラシューティカル(医薬品と同じような効果が期待できる食品)として注目されているイチョウの緑葉。強力な抗酸化作用と血管拡張作用をもつ一三種類のフラボノイドやテルペンラクトンなどの成分を含み、脳内の血行を潤滑にし記憶力・集中力を高めるという。

血液循環改善剤としてドイツやフランスでは医薬品と認められ、脳血管障害・痴呆症患者に投与されている。

わが国でもイチョウ葉の愛用者が増えているが、昨年11月25日、国民生活センターの調査で複数の「イチョウ葉食品」から、皮膚炎などを起こすアレルギー物質「ギンコール酸」が大量に検出された。

ドイツでは、エキス中のギンコール酸濃度は五ppm以下と定めているが、同調査ではこの基準の約六~三二〇〇倍の高濃度を示す製品や、一日の目安摂取量に関しても、約八万倍の濃度の飲用を促すものがあった。とくに単に葉を粉砕しただけの製品にギンコール酸が多量に検出された。同品は日本では食品扱いのため成分の規格基準はなく、どの銘柄にもギンコール酸のアレルギーに関する注意表示はなかった。

これを受け、(財)日本健康・栄養食品協会(東京都新宿区、電話03・3268・3134)は、健康食品メーカーなど協会会員企業へ向け同月27日付で、「イチョウ葉食品の取扱いについて」通知を行った。

(1)イチョウ葉の粉砕物を使用した製品の製造と販売を自粛

(2)イチョウ葉エキス食品ではギンコール酸の含有量を五ppm以下の原材料を使用

(3)茶葉類についてはギンコール酸が溶出しないよう注意表示を行う。

さらに同協会は「イチョウ葉エキス食品」の品質・安全性向上、適正表示の徹底を図るため、今年1月15日、「イチョウ葉エキス食品」の自主規格基準を公示。ギンコール酸の含有量(五ppm以下)はじめ、ヒ素・重金属などの含有量、さらに一日摂取目安量(イチョウ葉エキスとして六〇~二四〇ミリグラム)などを決定した。

今後この基準を満たした製品には、協会認証マーク(JHFAマーク)が付与される。

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