漢方ダイアリー:耳鳴りが気になります
●5月10日(日)
最近、耳の奥のほうでキーンという音が聞こえることが。これって、耳鳴りかしら?
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耳はとても敏感な器官です。耳鳴りはストレスや疲れ、老化により現れることが多い症状です。感じる音は人それぞれ異なり、音の高低や、断続的に聞こえるもの、絶え間なく聞こえるものなどさまざまなタイプがあります。耳鳴りをそのままにしておくと聴力の減退につながることもありますので、少しでも異変に気づいたら早めの対策を取りたいものです。
◆中医学でタイプ分け
症状は同じでも、体質や生活習慣などにより、対策も異なります。
【実証タイプ】
精神的な要因から耳鳴りが起こるのが特徴で、怒りや精神的ストレスなどがきっかけとなり、突然発症することが多いようです。偏頭痛を伴うことが多く、高く大きい音がします。
「肝」はストレスを調節し発散する臓腑ですが、肝の負担が大きくなると、肝と密接な関係の「胆」に影響を及ぼします。肝・胆系の経絡を通る気血の流れが乱れると、耳鳴りに発展することがあるのです。
このタイプには肝・胆系に作用し、自律神経の興奮を抑える竜胆の根を配合した処方「竜胆瀉肝湯」がよく使われます。
食材では菊花、セロリ、緑茶、トマトなど涼性の食材がお勧めです。
【虚証タイプ】
「腎」の衰えからくる耳鳴りは、小さな音が持続し、夜静かになった時などに特に気になります。眠りが浅く、のぼせやイライラ感などを伴うこともあります。
中医学でいう「腎」とは単に腎臓だけでなく、泌尿生殖器系やホルモン系など幅広い意味があり、成長、発育、老化と深くかかわっています。したがって、腎が衰えると、足腰や視力、聴力などが弱る、排尿異常などの老化現象に直結するのです。
このタイプには腎を補う熟地黄や山茱萸など六味地黄丸の成分に、精神安定作用のある磁石を加えた処方の「ジメイ丸」がよく使われます。
食材ではクルミやごま、松の実、枸杞の実、黒豆、山いもなど腎の不足を補うものがお勧めです。
◆東洋エクササイズ
耳鳴りに効果があるツボ「百会(ひゃくえ)」
頭のてっぺん。
左右の耳の先端を結んだ線と眉間から後ろへ向かう線が交差するところ。身体の100の経絡がここに集まっている。
イライラやのぼせなど頭部の熱を取り除きます。頭痛にも効果的。
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