食の安全を支える微生物検査の歩み(5)微生物検査の培地の組成と培養

2024.09.01 329号 11面
デソキシコレート寒天培地に発育した典型的な大腸菌群※の集落 ※大腸菌群は培地成分中の乳糖を分解しニュートラルレッドと反応して赤色の集落を形成するが、大腸菌群以外の乳糖非分解の菌種は薄い肌色やピンクの集落を形成する。必要に応じ発育した集落を釣菌し、推定試験、確定試験、完全試験を実施し、グラム陰性の無芽胞桿菌(かんきん)で乳糖を48時間以内に分解し酸とガスを産生するものを大腸菌群とする。

デソキシコレート寒天培地に発育した典型的な大腸菌群※の集落 ※大腸菌群は培地成分中の乳糖を分解しニュートラルレッドと反応して赤色の集落を形成するが、大腸菌群以外の乳糖非分解の菌種は薄い肌色やピンクの集落を形成する。必要に応じ発育した集落を釣菌し、推定試験、確定試験、完全試験を実施し、グラム陰性の無芽胞桿菌(かんきん)で乳糖を48時間以内に分解し酸とガスを産生するものを大腸菌群とする。

 2018年の「食品衛生法」改正により、20年6月から原則全ての食品等事業者に対してHACCPに沿った衛生管理の義務化がスタートし、翌21年6月からHACCPの導入および運用の完全義務化が開始された。このHACCPの導入で対象となる危害要因は主に生物学的危害であり、食品工場における食品微生物検査の対象はカビ・酵母の真菌類と細菌である。
 微生物の増殖に必要な栄養素を組み合わせ、粉末あるいは顆粒(かりゅう)状にしたものが培地である。この培地に検査試料ある

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