三崎港(神奈川県)に憩う大中型巻き網船団(筆者撮影)
わが国の海面漁業は、これまで「遠洋」「沖合」「沿岸」の三つに分けて論じられてきた。このうち遠洋漁業は、かつては“七つの海”で活躍した日本漁業の花形であった。しかし、漁場の多くは各国の沿岸域にあり、距岸12海里(1海里=1852m)の領海と200海里の排他的経済水域(EEZ)を定めた海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)が1994年に発効すると、その活動範囲を大きく制限されることになった。わが国も96年に同条約を批准しており、今では日本周辺海域で操業する沖合漁業や沿岸漁