食品経営者フォーラム、唐木英明会長が講演 食品安全脅やかす要因、化学物質と微生物

唐木英明食の信頼向上を目指す会会長

唐木英明食の信頼向上を目指す会会長

 ●現状・課題・視点語る

 日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが7月22日に開催され、食の信頼向上を目指す会・唐木英明会長(東京大学名誉教授)が、食品の安全と安心現状と課題と欠かせぬ視点をテーマに講演し、「食品安全を脅かす要因は化学物質と微生物であり、安全を確保する要因はその規制値まで下げること。化学物質は管理できている一方で、微生物は難しいのが現状だが、経験から予測の不確実性は小さい」と語った。

 唐木会長は、化学物質を使うのは加工食品メーカーが中心であり、メーカーはしっかり対応しているが、微生物は生鮮食材を調理し食べる際に起こり、それは飲食店や家庭で起こることが圧倒的に多いと指摘。また、個人が食に対して不安になるその判断は個人差もあるとした上で「科学の不安は、科学者が大丈夫だと言わないと分からないが、果たしてその科学者は信頼できるのか」とも強調した。

 また現代社会では、ネット上でフィルターなしに情報を取得することが容易で、自分が欲しいと思う情報だけを選択して集める同調の情報選択が起こることにも触れ、真実は何か、情報過多が混乱をもたらしていると述べた。

 消費行動に表れない知識レベルの不安、メディアが生み出す不安などもあり、情報が作り出す不安に対処するためには、リスクコミュニケーション、ファクトチェック、教育、事業者倫理などといった安全と安心を近づける活動が重要だとまとめた。(阿久津裕史)