J-オイルミルズ、東急、伊豆急HDと業務提携 オリーブ生産で伊豆産ブランド化

左から八馬史尚J-オイルミルズ社長、竹島道宏東急交通インフラ事業部副事業部長、小林秀樹伊豆急HD社長

左から八馬史尚J-オイルミルズ社長、竹島道宏東急交通インフラ事業部副事業部長、小林秀樹伊豆急HD社長

J-オイルミルズは8日、東急、伊豆急ホールディングス(HD)と業務提携し、伊豆半島で東急・伊豆急HDが行ってきた「伊豆オリーブみらいプロジェクト」にJ-オイルミルズが新たに参画し、3社が伊豆地域でオリーブの生産を協力して行うことで伊豆産オリーブのブランド化のさらなる推進と地域の活性化を目指すと発表した。

同社は、国内オリーブオイル市場をけん引する企業として、オリーブオイル官能評価・理化学分析、保管・充填(じゅうてん)に関する高い技術やオリーブオイルの製造過程で発生するミール(搾りかす)の有効活用の知識、幅広い販売網を生かして、伊豆でのオリーブ栽培および伊豆産オリーブのブランド化に寄与することを目的とすると、プロジェクト参画の目的を説明。

同社は、静岡県内に工場、研究所機能を含む事業所と営業所を構えており、特に静岡市清水区に位置する事業所は、旧事業会社のホーネンコーポレーション(豊年製油)が1917年に設立した歴史ある工場で、静岡県は同社にとってゆかりの深い土地でもある。

今回の業務提携で、東急がオリーブを栽培する農地の近隣の農地をJ-オイルミルズが賃借し、オリーブの木を植樹し、伊豆急HDと共同で栽培管理を行う。また、共同研究を実施し、伊豆産オリーブ果実の分析評価および、果実から搾油されたオリーブオイルの官能・理化学評価を行うことで、伊豆産オリーブオイルの品質向上とミールの有効活用を目指す。

「伊豆オリーブみらいプロジェクト」は東急と伊豆急HDが、オリーブを通じて、6次産業化による地域活性化を目指して13年に開始した。急増するオリーブオイル需要を追い風に、伊豆の特産品としてオリーブを商品化し、観光客を呼び込み、利用客増につなげると同時にミカン・茶栽培の減少による耕作放棄地の再生を目指す。

13年には東急と伊豆急HDが、東伊豆地域の新たな農産物としての可能性を検証することを目的に、東伊豆町とオリーブの調査・研究に関する協定を締結し、試験栽培を開始。現在は、伊豆半島7ヵ所に設けた直営の農地のほか、協力農家とオリーブの植樹を進めており、9月時点での栽培本数は合計で約6000本と順調に進展している。

また、東急が16年に静岡県伊東市内に設けた搾油所で、果実から油を精油し、3月には本数限定で初の一般販売が実現。さらに近年、東伊豆地域は耕作放棄地の対策や農業従事者の高齢化、後継者不在による担い手の不足など農業の課題を抱えており、これらの課題の解消およびオリーブの生産や加工などを通した地域活性化を目指している。(青柳英明)

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