胃心伝真=山口良忠

総合 コラム 2020.04.01 12033号 01面

 物を買うという行為が、さまざまな意味を持つようになった。自らの意思を示す手段として物を買わないという行為も含め、貨幣を介した物の譲渡というシンプルな行動が、社会的、政治的、哲学的、道徳的な意味合いを持つ▼物を買う、買わないという行為を、自らの道徳観、どのように生きるのかという哲学的意味から極限まで考えぬいたのが、裁判官の山口良忠だ。山口は太平洋戦争終戦後の食糧難の時代に、自らの信念から闇米を買わずに、配給食糧のみを食べ続け栄養失調で死亡した。食糧管理法に基づき有罪無罪の判断

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら