食品業界、「熱中症対策」を強化 救急搬送昨年最多 コロナの夏に危機感

総合 ニュース 2021.07.26 12266号 01面
熱中症対策飲料売上げナンバーワンの「アクエリアス」

熱中症対策飲料売上げナンバーワンの「アクエリアス」

 梅雨が明け、全国的に厳しい暑さが続いている。東京都に4回目の緊急事態宣言が発令され、埼玉、千葉、神奈川、大阪にまん延防止等重点措置が取られるなど、コロナ禍で2年目の夏を迎えた。熱中症で亡くなる人を「ゼロ」にする熱中症啓発活動「熱中症ゼロへ」プロジェクトを展開する日本気象協会事業本部の曽根美幸氏は本紙取材に、コロナ禍で初めての夏となった20年の8月の熱中症救急搬送が19年の約1.2倍で08年の調査開始以来最多となったことを明らかにした上で、「7月の涼しさや外出自粛の影響で体を暑さに慣れさせる機会が減少した影響も考えられる」と要因を説明。これを踏まえ、協会では今年、体を熱さに慣れさせる「暑熱順化」の重要性に関する発信を強化する。(青柳英明)

 公式サイトで4月1日から暑熱順化に関する解説やチェック項目のほか、「暑熱順化ポイントマニュアル」を公開した。食品業界も協会のこうした活動をサポート。各社製品を活用した熱中症対策を提案する。

 曽根氏は「暑熱順化」について、「体が暑さに慣れることで、暑い日が続くと体は次第に暑さに慣れて、暑さに強くなる」と説明した上で、日常生活の中で運動や入浴をし、汗をかき体を暑さに慣れさせることが重要と指摘。暑熱順化には個人差もあるが数日から2週間程度かかり、さらに、数日暑さから遠ざかると暑熱順化の効果はなくなることから、夏季の連休やお盆休み明けなどは注意が必要と指摘。熱中症対策は、これまで協会が発信してきた熱中症の発生要因を知り、適切な対策と対処が基本とし飲料や食品、菓子の適切な摂取も有効な手段との考えを示す。

 気象庁発表の3ヵ月予報(7~9月)によると、今夏の気温は平年並みか平年より高く、厳しい暑さとなる予想。環境省は、20年に続き、マスク着用が熱中症のリスクを高めるおそれがあるとし、こまめな水分補給と屋外で人と十分な距離が確保できる場合は、マスクを外し休憩することを推奨する。「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、コロナ禍で例年実施しているイベントを今年も、ネットを活用した情報発信を強化。19年に制作した「イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル」は継続配布。今年は新たに、英語、中国語、韓国語で表記した外国人向けのリーフレットを作成。

 食品業界は自社製品を活用する熱中症対策を提案。日本コカ・コーラは熱中症対策飲料ナンバーワンの「アクエリアス」を「水分とミネラルで熱中症対策!」をコピーに提案。適度な糖分とナトリウムを含むため、水よりも優れた水分補給ができることを訴求。カバヤ食品は「すべての汗かく人に!汗をかいたら、塩分チャージ!」をコピーに「塩分チャージタブレッツ」を手軽に塩分・カリウムを補給できる錠菓として提案。

 ギンビスは、ロングセラー商品の「アスパラガスビスケット」で「アスパラガス+水でおいしく塩分補給!」をテーマに、ナトリウムイオンと水分を効率的に体内に吸収する効果があるとされるぶどう糖を配合していることを訴求。くらこんは「暑さ対策にくらこん塩こんぶ!」をテーマに、汗で失われる塩分が手軽に補給できることを訴求。三幸製菓は「世代を超えて愛される“甘じょっぱい”味わいで、おいしく手軽に塩分補給」をテーマに「雪の宿」を訴求。永谷園は「冷やし茶づけで手軽に水分・塩分補給!」をテーマに「お茶づけ」シリーズを訴求。

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