22年アーモンドミルク市場、155億円に成長 10年で販売額22倍

植物性ミルクとして地位を確立したアーモンドミルク

植物性ミルクとして地位を確立したアーモンドミルク

 2013年に商品が発売され、今年日本市場導入10年目を迎えるアーモンドミルクが好調だ。2022年の販売金額は前年比5%増の155億円、販売数量は同8%増の3万2900klと好調に推移。市場誕生から10年で販売金額は約22倍、数量は約30倍と驚異的な伸長を示した。健康価値とおいしさが評価されたことに加え、プラントベースフードが急速に注目されたことも影響し「植物性ミルク」として確固たる地位を築いた。17日、東京都内で開催した「5月30日はアーモンドミルクの日」のイベントでアーモンドミルク研究会が明らかにした。一方、飲用経験率が50%以下で飲用頻度(週1回以上)も20%以下であることから、さらなる成長余地は高い。同研究会および会員企業は、23年アーモンドミルク市場の間口の拡大と奥行きの拡大への取り組みを深耕する。(青柳英明)

 アーモンドミルク研究会会員でもある江崎グリコが実施した「アーモンドミルクに関する日米実態調査」では、認知率が米国で98.5%に対して日本が80.8%、飲用経験が米国85.5%に対して日本49.2%、週に1回以上飲む割合が米国75.1%に対し、日本19.5%とアーモンドミルク先進国の米国との差が明らかになった。

 日本のアーモンドミルク市場の歴史は、13年8月に江崎グリコが「アーモンド効果」を地域限定で、9月に筑波乳業「濃いアーモンドミルク」業務用販売を、10月に「ブルーダイヤモンド アーモンドブリーズ」が発売されたことで始まった。15年に「第3のミルク」としてライスミルクとともに紹介され市場が拡大。17年にスターバックスなどの大手コーヒーチェーンなどで期間限定導入。20年に大豆肉の発売など植物性食品市場が注目を集めたことを契機に普及、定着化した。小売店頭では、アーモンドミルクはすでに固有価値のカテゴリーとして確立している。オーツなどの新素材が加わり、植物ミルク独自の売場として充実が進んでいる。さらに、外食店とのコラボによるアーモンドミルクを使用したメニューの開発やオリジナルレシピ開発などを通して、飲用以外の料理への活用の提案を強化している。

 「アーモンドミルクの日」のイベントでは「アーモンドミルクの栄養機能」をテーマに慶應義塾大学医学部の井上浩義教授が講演。タレントの岡田結実が手作りアーモンドミルクに挑戦。管理栄養士の柴田真希氏考案のアーモンドミルクを使った、そうめんや味噌汁を岡田が試食した。

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