石光商事、循環型コーヒー発売へ 近畿大と共同開発

飲料 ニュース 2019.12.13 11984号 03面

【関西】石光商事はコーヒー抽出後のコーヒー豆カスから製造したバイオコークスを燃料として焙煎した循環型コーヒー「Global Goals Coffee」=写真=を近畿大学との産学連携で共同開発した。20年1月に「ATI-CAFE」ブランドのドリップバッグで一般発売する。

これは地球温暖化の影響で2050年にはコーヒー栽培に適した土地が現在の50%に縮小すると懸念される「コーヒー2050問題」に対し、コーヒー豆カスの循環型リサイクルを地球温暖化対策の一つとして、業界・流通に広め、消費者への啓発も狙うもの。産業廃棄物となっていたコーヒー豆カスを原料に製造した固形燃料「バイオコークス」でコーヒー生豆を焙煎すれば、植物由来エネルギーのため、利用時のCO2排出量はゼロカウントになる。同社は、この循環型リサイクルでコーヒー工場のCO2排出削減を目指す。

1月発売のドリップバッグコーヒーは5袋入りで希望小売価格600円(税別)。豆はレインフォレスト認証を30%以上配合し、ブラジル・南米、エチオピア・アフリカ、ラオス・ユーラシアの3大陸からほぼ均等にブレンドし、SDGsの基本理念「誰一人取り残さない」を表現した。

包装材にもバイオマスフィルム、バイオマスインキを使い、コーヒー運搬時に使われた麻袋のリサイクルからできた紙原料を化粧箱の一部に使うなど、コーヒー豆カスの循環型リサイクル以外も細部にまで環境へ配慮した商品で、持続的においしいコーヒーを飲むためのメッセージを発信し、共感の輪を広げていく。

「バイオコークス」とは近畿大学の井田民男バイオコークス研究所所長が05年に開発したバイオマス(再生可能な植物由来の有機性資源)を原料とする固形燃料で、光合成を行う植物資源が原料のため、CO2排出量ゼロで環境に配慮したエネルギーとして期待される。(深瀬雅代)

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