ヒットの兆し:アイン食品「ベジダシ」 量販店惣菜で注目集める

調味 ニュース 2020.11.11 12145号 01面

 【関西】アイン食品の自社ブランド、味生庵の「ベジダシ」に注目が集まっている。業務用調味料で小ロット多品種のOEM製造を強みとする同社だが、コロナ禍で得意先の9割を占める外食産業が苦境に立たされ、自社ブランド提案も強化。野菜のうまみがぎゅっと詰まった希釈タイプの「ベジダシ」で量販店や加工メーカーの開拓を急いでいる。

 「ベジダシ」は3種類の国産野菜(玉ネギ、ニンジン、セロリ)を生から加工して、長時間煮込んで抽出しただしを使った調味料。野菜特有のうまみを凝縮し、やさしい甘みと香りが味わえる上、具材の色目を生かす黄金色のだしが量販店の惣菜・デリカにハマり始めた。すでに大手量販店では今秋に1人前カップ入りポトフのベースに採用され、唐揚げの下味としても検討が進んでいる。化学調味料不使用ながら、希釈タイプの使いやすさも評価につながっている。

 社員の2割が開発部に在籍するほど、開発力を強みとする同社。2012年には中国上海に現地法人を立ち上げ、日本品質の業務用調味料を小ロット製造する技術で中国の外食企業の間でも信頼を得てきた。19年には大阪府和泉市の本社工場で国際的な食品安全マネジメントシステムのFSSC22000認証も取得。次は世間から支持を得られる自社ブランドの看板商品を生み出すことを目標に開発に励んでいる。(深瀬雅代)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら