新型コロナ:自民党、輸出対応策方向を整理

総合 ニュース 2020.03.23 12028号 01面

新型コロナウイルス感染症で影響を受けている農林水産物・食品の輸出について、自民党の対応策の方向の整理が始まった。同党の食料産業政策委員会・農産物輸出促進対策委員会・日本産酒類振興プロジェクトチームの合同会議は18日、業界の実態を踏まえて、輸出分野での対応策の整理を始めた。

林芳正・食料産業政策委員長は「コロナウイルス問題が終息した後もにらんで検討すべき」と述べ、議員の議論を促した。同党は年度内にもコロナ対策全般で提言をまとめるもよう。

今回は食品産業センター、日本惣菜協会などの実態説明の後、輸出分野の対応策について検討した。業種横断的な課題では金融支援に加えて、コロナウイルス問題が終息後もにらんだインフラの整備などを対応策の方向として明記した。

品目ごとで見ると、中国などで日本産の加工食品の購入減が見られるなど影響が出ていて、牛肉は香港、台湾などで外食を控えているため輸出量は減少しているという。一方でコメは中国、香港、米国で外食店舗の営業停止などの影響で取引量が減っているが、精米、包装米飯などの小売や通販の需要が増えている。自民党の対応方向は「品目ごとの影響に応じた海外販路開拓、需要喚起策の推進」にとどまっている。

自民党は11日に政務調査会の経済成長戦略本部と新型コロナウイルス関連肺炎対策本部が個別の産業ごとに対応策を整理していく考えを示していて、今回の合同部会の会合はその一環。

自民党が提言をまとめても2019年度の予備費は用途が決められており、政府筋によると4月にも20年度の補正予算の検討が始まる可能性があるという。(伊藤哲朗)

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