胃心伝真=新しき日常
「夏はこういうものです」。明治維新で官軍を指揮した大村益次郎が村医者だったころ、「お暑うございます」と村人からあいさつを受けてこう返答したという。合理的ではない会話も人間関係を親密にする効果があるが、超合理主義者だった大村には理解できなかったらしい▼筆者が駆け出しのころ、ある業界団体の理事クラスに本質ではない質問ばかりしていると、「何しに来たんだ」と叱責(しっせき)された。電話も含めて会話は相手の時間を奪うことであり、事前に頭の中を整理して臨まなければならない。本質論からず