カップ麺、ご当地系が好調 旅行気分で人気
カップ麺市場の中で、ご当地系カップ麺の販売が好調だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で移動に制限がある中、旅行に行った気分でその土地の味が楽しめるご当地ラーメンが人気となっているようだ。SMなどでの産地フェアといった店頭企画で採用される機会が増えている。商品もメジャーなご当地から、ニッチなエリアまで幅広く展開されているようで、選ぶ楽しみも好評の要因となっている。コロナ禍が続く状況において、今後も売上げが伸びていくと見込まれている。(久保喜寛)
ご当地カップ麺の代表的な商品は、ヤマダイの「凄麺」だ。同ブランドは、今年発売20周年を迎えるロングセラーブランド。「京都背脂醤油味」や「佐野らーめん」などが定番商品となっている。20年の新型コロナウイルス感染拡大以降、「売上げ下位だった商品にも注目が集まるようになり、シリーズ全体で伸びている」(ヤマダイ担当者)という。6月に「徳島ラーメン」を新たに加え、全23品という豊富なラインアップで、今後も「ご当地」シリーズの魅力を提案していく。
寿がきや食品のカップ麺「全国麺めぐり」なども売上げ増加の勢いが加速している。「全国麺めぐり」の中でも「富山ブラックラーメン」と「奈良天理ラーメン」が前年を大きく上回って増加している。さらに、3月にリニューアルした「カップ岐阜タンメン」は、関東エリアで拡販となり、「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド牛骨ラーメン」は、九州エリアで採用が広がっているという。
5月には「全国麺めぐり笠岡ラーメン」を、6月に「全国麺めぐり藤枝朝ラーメン 冷たい醤油味」を新発売。各エリアでの反応が良く販促につながっているようだ。今後、7~8月にもご当地系ラーメンを発売する。
ほかにも、エースコックの「飲み干す一杯」はリニューアルや新商品の発売で販売増となっている。
ご当地の中でも、チェーン店に着目したサンヨー食品の「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン」も順調に売上げを伸ばしている。同品は、神奈川県川崎市のソウルフードで人気のラーメン店「元祖ニュータンタンメン本舗」のタンタンメンの味わいを再現した商品。他の地域と比べても川崎エリアで突出して売れている商品となっている。