ごま業界、原料高騰で再値上げも検討 SNS活用、市場拡大へ本腰

農産加工 ニュース 2019.07.12 11907号 01面
原料価格の違いから白・黒別々の店頭価格も

原料価格の違いから白・黒別々の店頭価格も

ごまの原料価格が上昇している。主力のアフリカなどでの不作に加え、中国やインドなどが買い付けを増やしており、世界的に需給がひっ迫しているのが要因だ。原料価格の高騰を受け、各社は相次ぎ値上げを打ち出しているが、「需給の構造は今後も変わらない」(ごま専門メーカー)見通しで、産地価格の高止まりが続けば、再度の値上げも検討せざるを得ない状況だ。(三井伶子)

段階的に相場上昇を続けていた原料ごまは今年、日本の輸入量の大半を占めるアフリカ産の白ごまが大幅に高騰している。17年の夏ごろまで1t当たり1500ドル以下であったものが、その後2000ドルを突破。今年の4~5月には2200~2300ドル程度まで上昇し、短期間で1000ドル近く値上がりしている。

原料価格の高騰を受け、各社は相次ぎ値上げを表明。真誠は2月、業務用白ごまを5~12%値上げ、黒ごまは大口条件価格を見直している。かどや製油も2月から業務用の食品ごま価格を5%以上引き上げた。カタギ食品とマコトも4月から価格改定を行っている。今後の状況によっては、もう一段階の値上げを検討するメーカーもある。

黒ごま原料についても中国の買い付け量増加の影響から、主産地であるミャンマー産黒ごまが昨年を大幅に上回る価格で取引されている。黒ごまは白ごまと比べて産地が少なく、原料価格も高い。これまでは白・黒同じ店頭価格が通例だったが、原料価格の違いから一部メーカーが別々の店頭売価に取り組んだことで、スーパーなどの店頭売価も変わってきている。

国内市場をみると、「かける」「あえる」用途の拡大で好調なごま油に反して、食品ごまは需要が減少している。ごまドレッシングは定番人気を誇るが、粒のごまを常食する人は少なく、家庭で日常的に使ってもらえるような提案が必要となってくる。

ごまの輸入販売を行う伊藤忠グループは、ごまの市場拡大を目的にWebやSNSを活用した施策を展開している。4月、コンテンツブレイン社が提供する家飲みに特化したWebメディア「イエノミスタイル」の中に、「家飲みごま部」を開設。おつまみ、栄養と健康などを切り口に現在、6本の記事を配信している。5月にはツイッターフォロワーを対象にアンケート調査を実施。アンケート結果からは、練りごまの活用術やごまに含まれるセサミンのアルコール解毒作用のPRなど、具体的な販促アプローチも見えてきた。伊藤忠ではこの取組みを業界全体に広げ、ごまの消費拡大を目指す考えだ。

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