塩ふき昆布、伸び顕著 料理用途が拡大

水産加工 ニュース 2021.04.12 12213号 01面
浅漬けや炒め物などが簡単にできる便利な食材として消費者に受け入れられていることが最大の伸長要因と考えられる(写真はごま油とツナの塩こんぶチャーハン)

浅漬けや炒め物などが簡単にできる便利な食材として消費者に受け入れられていることが最大の伸長要因と考えられる(写真はごま油とツナの塩こんぶチャーハン)

 コロナ禍による内食需要の高まりで乾物消費が増加する中、食品スーパーなどで「塩ふき昆布」の伸びが顕著だ。さまざまな料理が簡単にできる便利な食材として家庭での使用量が増えており、特に大容量サイズが伸長。調理の時短や簡便性が重視される市場を背景に、今後も需要拡大が予想される。(三井伶子)

 塩ふき昆布とは、昆布を醤油で炊いた後に乾燥させて塩などの調味料をまぶしたもので、「塩昆布」とも呼ばれる。1961年にくらこんが「塩こんぶ」を、66年にフジッコが「ふじっ子」ブランドを発売し、全国の食卓に広まった。

 フジッコによると、塩ふき昆布の市場規模は130億円弱と推定され、20年度は前年比13%増で推移している。2000年代ごろから毎年伸長しているカテゴリーで、それまでご飯のお供での利用がほとんどだったものが、調味料としての利用へと用途変革が起きている。

 塩ふき昆布は「簡単・便利」「おいしさ」「安心」を兼ね備えた食材でもある。昆布のうまみ、醤油の風味、砂糖の甘味、塩味がバランスよく合わさることで、料理の味付けに必要な要素をすべて兼ね備えており、おいしく簡単に料理を作ることができる。ベースとなる昆布は、だしをとる時には欠かせないものとして昔から使われてきた自然素材のため、消費者にとって安心感もあるようだ。

 主要メーカーの動向について、くらこんの20年度「塩こんぶ」販売は2桁成長となっている。発売以来、ご飯のお供やお茶漬けとして使われ堅調に推移していたが、05年ごろからご飯以外での新しい食べ方を「塩こん部長」というインパクトあるキャラクターを使って提案し続けたことにより、急速に市場が拡大していった。当初は野菜の浅漬けやあえ物が中心だったが、近年では肉と合わせた炒め物やチャーハン、炊き込みご飯など、さまざまなメニューに使用されている。

 フジッコは昨年、「ふじっ子(塩こんぶ)」ブランドの若年層の認知率と購入率向上を目指し、子育てファミリー層へのアプローチに集中した。7年ぶりに主要都市でTVCMを投下し、それに連動してSNSでのキャンペーンを打ち出した。「ふじっ子」ブランドは今年発売55周年を迎え、生活必需品として消費者に長く使い続けてもらえることを目指していく。

 市場は内食需要の高まりや簡便ニーズを背景に、今後も伸長することが推測される。「近年は健康志向から減塩商品も順調な伸びを示しており、多様なニーズに合わせた商品拡大が重要」(くらこん)、「塩ふき昆布を知らない未認知層がまだ半数以上存在していることが分かっており、塩ふき昆布との関わりにきっかけを与えられれば、さらに市場は大きくなる可能性を秘めている」(フジッコ)と期待を寄せる。

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