ニューノーマル食品界どう挑む:キユーピー「フレッシュストック事業」 生鮮・惣菜を在庫型へ

調味 ニュース 2020.12.02 12154号 01面
変化する買い物様式に対応、売場を順調に構築中(賞味期間30日「あしたのお惣菜」)

変化する買い物様式に対応、売場を順調に構築中(賞味期間30日「あしたのお惣菜」)

事業を指揮する藤原かおり上席執行役員。強みを横串で新需要に対応する

事業を指揮する藤原かおり上席執行役員。強みを横串で新需要に対応する

 店内滞在時間の短縮化・買い物回数の減少。コロナ禍によって生活者の買い物様式は変化し、フロー型・ストック型へ移行している。キユーピーは今秋からウィズコロナで発生した新ニーズに対応する新事業「フレッシュストック」を展開。フードサービス(業務用、以下FS)で培った強みを家庭用でも生かすもので、第1弾として青果や生鮮、惣菜向けの低温売場専用商品群を投入している。(村岡直樹)

 ●FSの強み生かす

 初弾として展開しているのは、賞味期間30日のパッケージ惣菜、青果をより楽しめる新機軸の調味料、すぐに食べられる殻無しのゆで卵など。大きく分けて「パッケージ惣菜」「調味料」「たまご商品」の3分野でシリーズ化・商品化しており、FS分野ならではの本格感に加え、日持ちや簡便性など内食需要の中核ニーズに対応させている点が特徴だ。

 一部テスト販売も含め今秋から順次売場を構築しているが、現在までのところ、出足は順調。賞味期間30日間の「あしたのお惣菜」は首都圏・大阪で店舗数を伸ばし、12月からは北海道、来年2月からは宅配分野にも進出する。40%以上の具材配合量を実現した生鮮向け調味料「のせる野菜」は、10月末時点ですでに目標店舗数の3分の2に導入済み。“殻無し”ゆで卵「そのままパクッと食べられる ゆでたまご」は、量販店に加え、電鉄系スーパー、大学生協、有力コンビニエンスストアの関東全店で定番導入された。新事業由来・大規模広告戦略なしの中、非常に高いレベルにある。

 好調な出足の背景には、FSの強みを生かした完成度や斬新なコンセプトはもちろん、各分野のエキスパートが揃う独自のグループ体制がある。同事業は上記3分野を家庭用低温売場で“横展開”するものだが、同社グループは惣菜やタマゴ事業など、各事業で国内屈指のグループ協働体制を敷く。これらをベースにグループ各社が保有する販路や強みを集約させ、FSから家庭用に落とし込める柔軟かつ独自のシステムこそが、同事業最大の武器ともいえるだろう。

 総指揮を担うのは、今春入社の藤原かおり上席執行役員。前職・カルビーでは人気シリアル「フルグラ」を短期間で10倍に拡大させるなど“仕掛人”としての手腕は業界内で知られる。入社直後、長南収社長にまず伝えられたことは「キユーピーの強みを横軸で刺し、新しい需要に対応できるものを作れ」。約半年間、アイデアを練りに練り、試行錯誤を重ねて新事業を立ち上げた。

 「店頭での視認性アップやラインアップなど課題は山積み」とさらなるテコ入れを予定し、SNSを活用した認知策も順次進める。来春にはある程度の基盤を構築させ、24年度には150億円規模まで事業拡大を図る方針。

 「フレッシュストック」「あしたのお惣菜」「のせる野菜」。いずれも一度聞けば忘れられないシリーズ名・事業名だ。「いつもの買い物で楽しむことができる、日本一おいしくて魅力的な商品を手掛ける事業にする」–メーカーとしてニューノーマルで生まれたニーズをつかみ、新たな市場を開拓する。

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