日本食糧新聞社、FABEX関西で特別セミナー 欧州食材の魅力訴求

庭乃桃氏

庭乃桃氏

 日本食糧新聞社と欧州(EU)が運営する「パーフェクトマッチ・キャンペーン」は、10月30日にFABEX関西で特別セミナー「ヨーロッパ食材の豊かさと魅力を伝えるPerfect Match!~本物のEU食材と日本食材のペアリング~」を開催した。

 同キャンペーンは、19年に日本とEU間でEPA(経済連携協定)が発効されたことを機会に、手頃な価格で提供されるようになった欧州の食材の魅力と豊かさを日本に伝えるもの。シェフやインフルエンサー考案による欧州と和の食材を使ったレシピやCookpadとのコラボレーションによる“ビストロおつまみコンテスト”、小売店での消費者向けプロモーションなどを行っている。

 今回も、その一貫として料理・食文化研究家および女子栄養大学食生活指導士の庭乃桃氏が、EUと日本の食材との組み合わせによる新しい味わいの提案とともに、コロナ禍における「食」への関心の高まりとEU産品との相性の良さなどを説いた。

 庭乃氏は、欧州食材の三つの特徴である「高品質」「本物」「高い安全性」を前提に、秋メニュー3品を紹介。「ベルギー産チョコレート&八丁味噌だれの黒豚ひと口カツ」は、チョコと八丁味噌それぞれの独特の濃さがうまくかみ合うことで、印象深い味になる。

 「ドイツ産シュヴェービッシェ・シュペッツレの干し椎茸&ルーマニア産白ワインクリームソース」は、南ドイツ独特のパスタとワイン、日本の代表的乾物でもある干し椎茸を合わせ、芳醇(ほうじゅん)な秋の香りとなる。

 「フランス産フロマージュ・フレとしめ鯖のサラダ スペイン産エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルがけ」は、酪農王国であるフランス産乳製品、さっぱりしたうまみのあるしめさば、オリーブオイルの組み合わせがごちそう感を醸し出す。

 また、新型コロナウイルスによる消費者の食への関心や生活スタイルの変化にも言及。興味対象が健康維持、感染予防、免疫力アップといったテーマに向く中で、EU産品にはこうした消費者ニーズを満たす潜在力と柔軟性があると説明。

 栄養価の高さやシンプルでピュアな味わい、「本物」志向、満足感などがコロナ禍の食生活に合うとした上で、EU産品をより身近に感じるための食材や料理をめぐる「風景(scene)」の可視化、食文化を知ることの重要性(季節の行事、地域性など)、食材や料理そのものに集中させるための工夫が大切で、「高品質」「本物」「安全性」を象徴するGI認定産品は、こうした「エピソード」を語る上で非常に適していると解説した。(武藤麻実子)

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